【名探偵コナン】I can do 3【服部平次】

コンビニ強盗 ページ29

「…何やお前」


「お兄さん、人質交換せぇへん？」


突然目の前に現れた少女に男は目を丸くした。


「何言うてんねん」


「ええから、」


そのやり取りを頭を抱えながら見守る平次。


「あんの阿呆…何勝手なこと…」


駆け出してしまった彼女を止めることは出来ずどうにか解決策を絞り出そうと頭を悩ませるも、Aのこととなれば冷静になれないのが彼の欠点でもある。


「ええから、人質交代や、っと」


半ば無理矢理に人質の手を引けば人混みの方に思い切り背中を押した。


「なっ…お前！」


「お兄さんが言うこと聞いてくれんからやろ」


少女荒かったものの自分が人質になることもなく人質の解放を呆気なく済ませてしまったA。


「…何や調子狂うな」


今までの犯人とは違う、呆気ない。


さっさと終わらせてしまおう、そう思った時だった。


Aに包丁が向けられる。


「A！」


平次の声。


「お前…良うやってくれたな…許さへんで…」


「…強盗なんて阿呆なことせんと、さっさと自首したら？」


男の言葉には怯むことなく言い返せば不意に振り上げられた包丁。


だが、Aは避けようとはしない。


「…っ、」


振り上げられた包丁は、Aに当たることなく宙を掻いた。


「…刺す勇気もないんやったら、そんなもん振り回したらアカンで？」


小さく笑みを浮かべながら言った時、犯人がその場に膝から崩れ落ちる。


「…無茶しよるで」


「さすがやな」


犯人の後ろから現れたのは勿論平次だった。


「お疲れ、何や呆気なかったな」


「私もそれ思ってたけど言わんかったのに」


「とりあえず帰んで、大滝はんに連絡しといたらいけるやろ」


「ほんならそうしよ、お腹空いたー」


数分後、警察が到着。


事件は終わりを告げた。

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