【名探偵コナン】I can do 3【服部平次】

平和とは ページ28

「ホンマ何もないな、頭鈍ってまうわ」


「阿呆、何もないに越したことないやろ」


授業が終わり、帰り道を二人歩く。


普通の学生と同じ日常、平和な時間。


「平和やなぁ」


「せやな」


ここで少し振り返ってみよう。


一つ、平和はすぐに壊れる。


一つ、彼らに平穏と言う言葉はない。


「強盗や！」


「早よ逃げぇ！」


聞こえてきたのは甲高い悲鳴と困惑する声。


「平和って何やろな」


「呆気なく壊れる、私らの日常や」


小さく呟くと同時に彼らは走り出した。


放ってはおけない、そんな正義感が足を動かす。


現場は普段は学生で賑わうコンビニだった。


「何や、コンビニ強盗かいな」


「そうみたいやな、阿呆なことしよるで」


包丁を女性へ突き付ける犯人、若い男だ。


「警察呼んだらこの女殺すで！ええから大人しい言うこと聞け！」


荒々しい声が響く。


震える女性、その瞳には涙が浮かんでいた。


「…なぁ、平次」


「アカン」


「まだ何も言うてへん」


「人質代わる、言うんやろ」


「…人の心読まんといて」


「絶対アカン、ここで様子見ぃ」


「アカン言われてもな…別に許可取る必要ないやろ」


「は？お前、っ…」


「ほな、」


にっと笑うA。


ヒラヒラと手を振れば勢い良く走り出す。


向かうのは、勿論、

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