【名探偵コナン】I can do 3【服部平次】

推理勝負 ページ11

平次の計算によると、全ては順調に進む。

はずだった。


「早よサインしてぇや」


「なぁ、写真撮ってー」


梅田駅。


三人は地元の高校生に囲まれていた。


昨夜の事件は既に新聞やニュースで報道され、誰が解決したか等、誰もが知っている事実で。


「阿呆やなお前ら、そんな奴に騙され…」


そこへ現れた、二人の男子高校生。


だが、Aの姿を見ると同時に言葉を切る。


「あんたら、あん時の…」


「久しぶりやなぁ。Aちゃんの蹴り、めっちゃ効いたわ」


それは文化祭でのこと。


平次を馬鹿にした二人に、Aは思わず蹴りをお見舞いしたのだ。


「また悪口言いに来たん？」


「どうせ昨日のも、親父の知恵借りて解決しただけやろ」


「まだ言うか…教えたったやろ、平次はなぁ、」


「わかってる。最高の探偵なんやろ？」


一人がスケッチブックを取り出す。


「それ、証明して貰おやないか」


「はぁ？」


「推理勝負や。俺らと…そっちは三人でええで」


自信満々に言う様子に、Aは小さくため息をついた。


「あんた、阿呆やろ」


勝てるとでも思っているのだろうか。


「手加減はいらんからな、真剣にやれよ？」


「はいはい、わかりましたー」


二人に了承を得ないまま、推理勝負を受けたA。


負けるはずがない、そう確信していた。

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