48.爽やかに笑わないで ページ48
「よし、じゃあ明日も遅刻すんなよー!」
「「うぃーす!!」」
「…」
「影山、いつもよりピリピリしてる感じするな…」
『影山くん…』
明日の青葉城西戦、影山のベースを作ったと言っても過言ではない及川と戦って勝たなくてはいけないということがプレッシャーとなっているのかもしれない。
どれだけ天才だと言われていても、まだ15歳の男の子なのだ。
「あっ、日向が行った」
「おい影山!10代半ばにして眉間の皺取れなくなるぞ!」
「ア゛!?」
「明日大王様倒してテレビに映るんだから、爽やかな顔の練習した方がいいぞ」
「!?余計なお世話だ!…試合には勝つ、勝たなきゃ先に進めねぇ」
「よっしゃー!頑張るぞー!!」
「はは、頼もしいなぁ」
日向のお陰で影山の憂いを帯びた表情が少し晴れたようだ。
無鉄砲で怖いもの知らずだと感じることが多々あるが、日向の周りを巻き込んで引っ張る力は天性のものなのだろう。
日向が影山のそばにいてよかったと思うと同時に、先ほどの発言からまさかの事態を想像してしまう。
『は…っ!?』
「ちょ、何?」
『影山くんがテレビに映っちゃったら、絶対にファン増えるよね』
「は?」
「え…、ん?テレビ?影山のファン?」
『だってあんなにかっこいいんだよ!?及川さんなんかより遥かに。無理、困る…』
「山口、A黙らせて」
「ちょ、ツッキー待って〜」
あーでもないこーでもないと頭を抱えながら勝手に悶えているAを冷たい目で一瞥して、置いていくように早足で通り過ぎていく月島と、どうすればいいのだろうと困惑しながらも月島を追いかける山口。
いや思い悩んでいても仕方がない、そう意を決した時にはすでに体は動いており、影山の傍まで走っていた。
『影山くん!』
「え」
『爽やかに笑わなくていいからね』
「?…うす」
『っていうか、カメラの前で真顔にしてて欲しい』
「はい…?」
『うん!明日頑張ろうね、しっかり休んでね!』
「っ、Aさんも」
『え?』
突然のAの怒涛の勢いに押され、意味もわからず頷きながら返事をした影山だったが、喋るだけ喋って返事を聞き、満足そうに去って行こうとした後ろ姿を少し大きな声で引き止めてしまった。
「…お疲れっす」
『ありがと。おやすみ影山くん』
そして、宮城県予選2日目が始まる。
341人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るき(プロフ) - 累さん» コメントありがとうございます。応援していただけると筆が進む気がします!またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 23時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
累 - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました!更新大変だと思いますが、続きを楽しみにしています!! (3月16日 22時) (レス) @page16 id: 5643604c2b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - 狛さん» コメントありがとうございます。まだ全然キャラたちと絡むことができず焦っております…笑 またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 15時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - 題名見たとき「お、恋愛もんもんって感じするな〜」って思ってたら夢主ガチで面白いです(笑)キャラとの絡みが楽しみです!更新頑張ってくださいね! (3月16日 12時) (レス) @page16 id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とっても励みになります!ぜひまた覗きに来てくださいね。 (3月15日 18時) (レス) id: 6fb8554a8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るき | 作成日時:2024年3月12日 21時