44.最強の囮 ページ44
「あの10番すげぇっ」
「あんなん止められねぇだろ！」
『…』
日向の囮が効いている。コートの中も、外も、10番に注目しているのがわかる。
日向が光れば光るほど、相手のブロックの目が眩み、他のスパイカーの攻撃が決まりやすくなる。
「Aちゃんどんな感じ！？」
『嶋田さん！滝ノ上さん！』
「応援遅くなって悪いね！」
「珍しくお客が来ててさ…！」
「はやくはやく！」
「良かった！男子の2回戦まだやってるよ！」
「うわっ！１年のアイドル！？」
「まじ顔ちっちゃ」
『え…』
「あぁあ！ごめんね！！そっか男バレのマネージャーしてるんだっけ」
『いえ、応援に来てくださってありがとうございます』
「…かわいーっ」
烏野高校の応援はほぼ一人と言っても良い状況だったため、町内会チームの二人と女子バレー部の到着はとても心強い。
そして決まる日向と影山の変人速攻に、またギャラリーが沸く。
「え、何今の…」
「速攻？」
「あれって１年生だよね？」
「あの小さい子すごい跳ばなかった？」
「フフ…」
「お前がドヤ顔すんなよ」
このまま日向と影山の速攻で相手を惑わしていけると思っていたが、そんなに甘くはない。
伊達工業の7番の冷静で執念深いブロックに日向が捕まり始め、伊達工業に流れが持っていかれ始めている。
「日向頼んだ！」
「ハイ！！」
「少しネットに近い…っ！」
「！！」
『日向くん…っ』
「ああっ…」
高いブロック3枚に阻まれて、叩き落とされたかと思ったそのボールを西谷が拾い上げたのだ。
全てのボールを拾えるわけではない、それでもこの1本を拾い上げた西谷がチームに与える影響は確実に大きい。
「西谷ぁあ！」
「烏野は前衛3枚、誰が来る！？」
「持って来ぉおい！！」
「10番！！」
『あ…』
声を上げながら飛び出してきた日向を見て、誰もが日向に上がると思った。
ブロックも全て日向をマークした、それだけ日向の気迫は本物だった。
しかしこの場面で影山がトスを上げた先は東峰で、囮である日向の後ろから見事にバックアタックが決まった。
『エースの前の道を、開く…』
「「よっしゃぁあああ！！」」
「あれは、音駒のパイプ攻撃！」
『やっぱり、日向くんは最強の囮だよ』
そしてその勢いのまま、伊達工業を20点台に乗せることなく、1セット目を烏野が先取したのだった。
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るき(プロフ) - 累さん» コメントありがとうございます。応援していただけると筆が進む気がします！またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 23時) (
レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
累 - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！更新大変だと思いますが、続きを楽しみにしています！！ (3月16日 22時) (レス) @page16 id: 5643604c2b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - 狛さん» コメントありがとうございます。まだ全然キャラたちと絡むことができず焦っております…笑 またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 15時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - 題名見たとき「お、恋愛もんもんって感じするな〜」って思ってたら夢主ガチで面白いです(笑)キャラとの絡みが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (3月16日 12時) (レス) @page16 id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とっても励みになります！ぜひまた覗きに来てくださいね。 (3月15日 18時) (レス) id: 6fb8554a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るき | 作成日時：2024年3月12日 21時
