【HQ】恋は盲目【影山飛雄】

39.頑張れ ページ39

『潔子さんできました！』
「うん、こっちも。何とか間に合ったね」
『ホッとしました…、間に合わないかと思った〜』
「お疲れ様Aちゃん」


ーIH予選 前日

「俺からは以上だ、今日はよく休めよ！」
「「ハイ！！」」
「よし、じゃあこれで」
「あっ、ちょっと待って！もう一ついいかな！？うちのマネージャーから！」
「「！！」」
『はい、潔子先輩どうぞ！』
「え、…激励とか、そういうの得意じゃないので…」
「「？」」
「先生、お願いします」
「任せて！」
「？？」

2階のギャラリーに登り、何かを準備する武田先生と清水の様子に全員が頭にハテナを浮かべている。

『では、みなさんご注目！…せーのっ』
「「！！」」

合図とともに、バッと下ろされた横断幕には「飛べ」の文字が書かれていた。

「こんなのあったんだ…！」
「掃除してたら見つけたから、Aちゃんと綺麗にした」
「うおおお！燃えてきた！！」
「さすが潔子さん！Aさん！いい仕事するっス！！」
「よっしゃぁあ！じゃあ気合い入れてっ」
「まだだっ」
「「？」」
「多分…まだ終わってない」
「…が、がんばれ」
「「…」」
「「！？」」

清水からの激励にぶわっと涙を流し出す2・3年生たちと、それを見てギョッとした顔で引く1年生たち。

「清水…っ、こんなのハジメテ」
「「…っ！…っ…！！」」
「田中さんと西谷さんなんか、声出さずに泣いてる…っ」
「で、Aからは何もないわけ」
『月島くんは逆に欲しいわけ？』
「ハイハイ！！俺はAさんからの激励欲しい！！」
「ボケェ日向！黙れ！」
『あはは、ご期待にお応えして私からも愛を差し上げます』

「はい、手を出してください」と言い、どういうことかよくわかっていない顔をしている全員に手を差し出させ、その手のひらに一つずつ一生懸命作ったものを乗せていく。

「お守りっ！」
「これ、手作りだ」
「ユニフォームになってる！ちゃんと番号俺のだ！！」
『一個一個丁寧に作ったから、頑張ってねみんな！』
「手、作り…Aさんの…」
「何？感動してんの王様？」
「うっるセェっ！！」
「Aさんありがとー！」
「「うぉおおおん」」
「「うわぁああん」」
『え、泣かないでくださいよ〜』
「ちょっと何これ、収集つかないんだけど！」

わいわいと嬉しそうにする1年生と対照的に、声を上げながらさらに泣き出す2・3年生にいよいよカオスが極まってきた。

「1回戦絶対勝つぞ！」
「「うぉおおお！！！」」

40.30秒彼氏→←38.2週間前

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