4.クラスメイト ページ4
−−高校1年 春
「きみ!野球部のマネどう!?」
「いや、サッカー部でしょ!サッカー部!」
「バスケ部で青春を謳歌しよう!」
『あー!すみません、まだ考え中なので!』
時は流れ、春。私は家から比較的近い宮城県立烏野高等学校に進学した。
勉強は嫌いなりにまぁまぁ頑張っていた方だったため、進学クラスに無事合格。両親からはもう少し難関の私立校にチャレンジしてもいいと言われていたが、朝の時間は貴重だ。時間は平等に流れるというが、朝の時間帯だけは2倍速で流れているような気さえしている。結局のところは家から近いことが一番重要ポイントだと私は考えた。
『部活いろいろあるんだなぁ』
「あの…、男子バレーボール部。マネージャー募集してるから、よかったら」
『あ、ありがとうございます』
たくさんの部活勧誘のチラシをもらう中で、一際印象に残る美人な先輩から手渡されたのは、個性的なイラストが描かれた「男子バレーボール部」のチラシだった。
男子バレーボール部が烏野高校にもあるのかと思うと同時に、県大会を見にいけばまた会えるのかもしれないなと、今はどこにいるのかもわからない彼に思いを馳せるのだった。
『バレーボールの大会って年に何回あるんだろ』
「2回だよ」
『え?』
漏れた独り言に対して、思いもよらず返ってきた声の方を向くと、そばかすが特徴的で人懐っこそうな背の高い男の子がいた。
「高校バレーは、夏のインターハイと春高バレーの2回大きな大会があるんだ!ぁ、急に話しかけて俺変なやつみたいだよね!?ごめんね!」
『あ、ううん、大丈夫』
「4組なの?」
『うん、A Aです』
「俺も一緒!あ、俺山口 忠です!よろしくねAさん!」
にっこり笑いながら挨拶をしてくれた山口くんは、初めて会ったけれどもとても良い人そうだ。
同じ中学から進学した知り合いはほぼいないため、こうして声をかけてくれるのはとてもありがたい。
「山口、後ろつっかえてる」
「あっ、ごめんツッキー!」
「君も、入り口で立ち止まったら他の人の邪魔になるって、普通考えなくてもわかるよね?」
そんな、とっても良い人だと思っていた山口くんの後ろから出てきたのは、山口くんよりさらに背が高いメガネの男の子。
出会って間もないが、一言目でわかる。こいつは山口くんとは正反対のとっても嫌なヤツだ。
『え、めっちゃ嫌なヤツじゃんこの人。山口くんの知り合い?』
「君も初対面でめっちゃ失礼じゃん、山口こいつ何?」
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るき(プロフ) - 累さん» コメントありがとうございます。応援していただけると筆が進む気がします!またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 23時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
累 - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました!更新大変だと思いますが、続きを楽しみにしています!! (3月16日 22時) (レス) @page16 id: 5643604c2b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - 狛さん» コメントありがとうございます。まだ全然キャラたちと絡むことができず焦っております…笑 またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 15時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - 題名見たとき「お、恋愛もんもんって感じするな〜」って思ってたら夢主ガチで面白いです(笑)キャラとの絡みが楽しみです!更新頑張ってくださいね! (3月16日 12時) (レス) @page16 id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とっても励みになります!ぜひまた覗きに来てくださいね。 (3月15日 18時) (レス) id: 6fb8554a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るき | 作成日時:2024年3月12日 21時