【HQ】恋は盲目【影山飛雄】

21.GW合宿 ページ21

「お疲れ様ー！」
「集合ー！」
「オース！！」
「皆、今年もやるんだよね！？」
「「？」」
「GW合宿！」
「はい、まだまだ練習が足りないですから」
「！？」
「しかもGW合宿最終日、練習試合組めましたー！！」
「「！！」」

息を切らしながら飛び込んできた武田先生から告げられた、GW合宿があるということと、練習試合が組めたということで部員たちは大盛り上がりしている。

『合宿するんですか』
「うん、部活動合宿用の施設があるから」
『ちょっと楽しみです！』
「私は家が近いから、通いになるんだけど」
『え、潔子先輩いないんですか！？寂しい…』

初めての部活動、そして初めての合宿ということでワクワクしていたのだが、唯一の女子である清水が合宿所に泊まらないという衝撃の事実でテンションが下がるのだった。

『恋バナとかしたかったです』
「あはは、お泊まり会の醍醐味だね」

また機会はきっとあるから今度しようねと微笑んでくれた清水に、「約束ですよ」と指切りをしながら、レシーブ練習のためのボールの準備に取り掛かるのだった。

「お疲れした！」
「「シター！！」」
『はい、日向くんと影山くんもタオルとドリンク！』
「あざす！！」
「あざっス」
「…旭さんが戻ってくれば、菅原さんも西谷さんもなんか色々うまくいくのかな」
「知らね」
「〜〜っ」
『そうだね、少なくとも旭さんが来ないことには進まない気はするかなぁ』
「旭さんは人一倍責任を感じる人だからって言ってたけど、菅原さんもそんな感じだ」
「どっちも自分に責任感じてんだろ。けど、一人で勝てるわけないのにな」
「！？」
『…うん、そうだよね』

最近ところどころで発せられる影山からのチームを意識した発言に、やっぱり影山は変わったなと笑みが溢れる。

「おっ…、お前がソレ言う〜！？俺はお前の“名言”鮮明に覚えてるぞ！」
『名言？』
「…レシーブもトスもスパイクも、全部俺一人でやれればいいのにって思います」
「おいクソボケ日向！！」
『影山くんがそれ言ったの！？』
「やれればいいのにって思います」
「うるせぇええ！！」
『ちょっ、影山くんストップ！投げちゃダメ！』

静止も虚しく、影山に投げ飛ばされ綺麗に宙を舞う日向だったが、一回転して見事に着地。

「…ネットのこっち側はもれなく味方のはずなのに」
「あ゛？」
「“こっち側”がギスギスしてんの、やだな」
『日向くん…』
「Aさん！どうやったら旭さん戻ってくると思う？」
『う〜ん…』

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