20.まだ決まってない ページ20
「う〜ん」
「何だよ」
「…それで嫌いになっちゃうモンなのかなぁ」
『…きっと、単純にブロックに止められたとかじゃなくて、他にも要因があるんだと思うよ』
「要因〜？」
『こう、いくつかのことが積み重なって、そうなっちゃったのかもしれないね』
「…それに」
「？」
「まだ嫌いになったとは決まってないだろ」
「！」
『影山くん…！』
「おお！！そうだよな！まだそうと決まったわけじゃない！！うぉおお！！」
影山の言葉を聞いて、もう一段階ギアを上げたように駆け抜けていった日向に、今日も元気だなぁとその後ろ姿を見守る。
私も、影山の前向きな言葉を聞いて幸せな気持ちになったから、日向の気持ちはよくわかる。
『影山くん、変わったね』
「あんまり、感じないっスけど」
『昔もかっこよかったけど、今はもっとかっこよくなった』
「…っ」
『って言っても、1回しか見たことないんだけどね』
「でも…、その1回が俺にはありがたかったです」
『ce la puoi fare』
「！」
『おまじない、効いたでしょ？』
「…うす」
入部してからこんなにしっかりと話したのは初めてかもしれない。
少しだけ、影山との距離が縮まった気がして嬉しくなるのだった。
「セーフ！！！」
『間に合った〜…、どうかした？』
何とか全員が集まる前に第2体育館に滑り込むことができ、安堵する。
早く着替えに行かなくてはとシューズの靴紐を結んでいた時に、ふと横から視線を感じた。
「…シューズ」
『ん？』
「バレーシューズ、結局同じのにしたんだな」
『うん！似合う？』
「似合ってると、思う」
『えへへ、影山くんに褒めてもらえた』
普段から褒め慣れてないんだろうなとわかるような、反対方向を向きながらぶっきらぼうに答えてくれた影山にますます好きが募る。
きっと影山は気にも留めてないだろうなと思っていたくだらない日常会話ですら、きちんと覚えていてくれたということについつい頬が緩んでしまう。
『うん、今日も頑張れそう』
「Aさんなんかあった！？大丈夫？」
「日直の仕事にしては遅すぎない？」
『大丈夫だよ〜、心配してくれたの？』
「自惚れるな」
「でも心配だし、今度からはやっぱり手伝うようにするね」
『山口くんが優しすぎる…っ、月島くんは見習ってくーださい！』
「君、甘やかしたらつけ上がるデショ」
『月島くん私のトリセツめっちゃ詳しいじゃん、さては私のこと好きだな』
「…」
『無視はやめてよ！』
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るき(プロフ) - 累さん» コメントありがとうございます。応援していただけると筆が進む気がします！またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 23時) (
レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
累 - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！更新大変だと思いますが、続きを楽しみにしています！！ (3月16日 22時) (レス) @page16 id: 5643604c2b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - 狛さん» コメントありがとうございます。まだ全然キャラたちと絡むことができず焦っております…笑 またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 15時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - 題名見たとき「お、恋愛もんもんって感じするな〜」って思ってたら夢主ガチで面白いです(笑)キャラとの絡みが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (3月16日 12時) (レス) @page16 id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とっても励みになります！ぜひまた覗きに来てくださいね。 (3月15日 18時) (レス) id: 6fb8554a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るき | 作成日時：2024年3月12日 21時
