18.“旭さん”を探せ ページ18
「エース、3年何組なんだろ」
「とりあえず3年フロアに行くしかねぇか」
『何してるの？』
「あっ！？Aさん！」
「…うす」
『いつも誰より先に体育館に行くのに、部活行かないの？』
「エースを見に行こうと思って！」
『エース？』
日直の仕事を終えて教室に戻る途中で、コソコソしながら体育館と反対の方向へ歩いてくる日向と影山を見かけた。
あまりに怪しかったので声をかけてみたところ、休部しているエースの3年生をみてみたいらしい。
「どんな人なのか気になっちゃって」
『エース、私も見に行ってみようかな』
「ほんとに！？」
『一緒に行ってもいい？』
「もちろん！いいよな影山！？」
「俺は別に」
『ありがとう』
話を聞いてみると、クラスはおろか「アサヒ」という名前であることしか分からないらしい。
そのわずかな情報だけでも、エースを探しに行こうとしているその行動力に感心する。
『そうなると、1クラスずつ回ってその“アサヒさん”を探すしかないんじゃないかな？』
「う〜…」
『とりあえず、3年生のフロアに来たけど…』
「影山先に行けよ！」
「はぁ！？お前がエース見たいって言い出したんだろ！！」
「だって3年生の教室なんて恐くて入れない！」
『じゃあ、私が先陣切ろうか？』
「Aさんにそんなことさせるなボケ日向！」
「なんかめっちゃ見られてる気がする！」
『それはごめん、多分私のせい』
「確かに、周りの人全員Aさんの方チラチラ見てる！」
日向がいう通り、3年生フロアに1年生がいるというだけでも目立っているのだろうが、私はクラスにいるだけでも教室前に人だかりができる女だ。
「でも、本当に芸能人みたいだよねAさんって！」
『日向くんに言われると、なんか素直にありがとうって受け取れる』
「月島だとダメなんだ」
『あはは、ダメだね』
「待てよ旭！！」
「『“旭”？』」
「？…何？」
「『！？』」
突然聞こえた「旭」の声に対して、「旭」と呟きながら振り向いたところ、目の前にいた人が振り向いた。そこにいたのは長髪で髭面の強面の男の人だったため、恐怖で思わず一歩下がってしまったところを、影山が咄嗟に庇うように前に出てくれた。
そんな影山の背に、日向も便乗するようにサッと隠れる。
「おい！お前は俺の後ろに隠れるな！」
「？？」
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るき(プロフ) - 累さん» コメントありがとうございます。応援していただけると筆が進む気がします！またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 23時) (
レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
累 - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！更新大変だと思いますが、続きを楽しみにしています！！ (3月16日 22時) (レス) @page16 id: 5643604c2b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - 狛さん» コメントありがとうございます。まだ全然キャラたちと絡むことができず焦っております…笑 またぜひ覗きにきてくださいね。 (3月16日 15時) (レス) id: e988f06362 (このIDを非表示/違反報告)
狛 - 題名見たとき「お、恋愛もんもんって感じするな〜」って思ってたら夢主ガチで面白いです(笑)キャラとの絡みが楽しみです！更新頑張ってくださいね！ (3月16日 12時) (レス) @page16 id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とっても励みになります！ぜひまた覗きに来てくださいね。 (3月15日 18時) (レス) id: 6fb8554a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るき | 作成日時：2024年3月12日 21時
