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33-赤豚 ページ33

外交用の部屋に向かい合う幹部と着飾った女が六人。バグローヴィの姉、らしい。

「アポイントくらい取ったらどうだ?」
「あら失礼?Aの姉と言ったら通して貰えたの」

似ていないと誰かが吐いた。バグローヴィを毛嫌いしていた奴等でさえ、目の前の女達に対して嫌悪を露わにしている。それくらい酷いんや、この女達は。

「それで、ご用件は?」
「Aを引き取りに来たのよ。あの子、給料ちゃんと振り込んでくれてるの?聞いてる額より少ないのよ!!」
「この国の軍の給料が良いって聞くから行かせたのに」

キャンキャンギャンギャンキィキィ、煩い。まだ内ゲバの方がマシな方だと錯覚する。

「だから、あの子をお嫁に出す事にしたの!」
「女の軍人、それも男装して軍人!相手も面白いって即決してくれたのよ」

絶句した。それと同時に部屋の温度が下がった。殺気と軽蔑にたじろいた女達は、少しだけ滑稽ではあったけども、このヘドロのような気持ち悪さが消えたわけでは無い。頭にクソの詰まった女共も強気で出てはみたらしい。

「な、なによ」
「あいつは、この軍の中で誰よりも漢です」

そう言い切ったのは、他の誰でも無い、コネシマだった。



「トントンさん駄目です。返事がありません」
「神、インカム通じる?」
「通話はできるみたいだけど、返事は無いね。今日は……悪いけど、様子見というか……少し、一人にしてあげて」

この場合、医者である神の意見を聞くのが最善かもしれない。
扉の前に最後まで粘ったが、返事は無かった。その次の日も、次の日も、返事は無く、誰も突撃する度胸も無かった。



「バグローヴィ居るか?おい、あっやっぱり鍵かかっとる……」

幹部が持っているマスターキーで鍵を開け、踏み込む。部屋に籠もっているはずなんやけど、何処に?

「おった!」

ただでさえ半地下で暗い部屋の隅に居た。赤い髪が顔を覆い、表情は見えない。呼びかけても抜け殻のようで反応は皆無だった。この状態のまま放置するほど鬼やない。ぺ神にどんな状態か診るから連れて来いと言われていた。

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紅鴇ベニトキ@pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました!大きく動いた回(?)となっております! (2020年7月6日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました! (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ベニトキ@pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので!それまでもう暫くお付き合いくださいませ! (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
- コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…!軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています!長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鴇ベニトキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年2月17日 16時

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