25-黒鷲 ページ25
「城下町東区19-45より、フルス川のシレーナ橋とウンディーネ橋の間隔が遠く、間にもう一本建設を求める声が上がっています。次に北区を中心としたスラム街整備と失業者に対する手当、職業紹介施設の設置、職業訓練施設の増設意見が上がっております。それから」
淡々と今週の警邏活動での報告書を読み上げる警邏部隊司令官のバグローヴィ。書類から顔を上げた黒い瞳と視線がぶつかる。
「？ 総統閣下、何か」
「いや。一つ気になる事があってな」
「どの項目でしょうか。早急に対処が求められる項目として」
「嗚呼違う、そちらではない。無論早急に対処はしよう。貴殿の事だ、警邏部隊司令官」
「自分、ですか」
思い当たる節は無いらしく、書類に視線を落とした。ここで時間を食ったところで意味を成さない。にしても本当に思い付かないんか……エーミールは聞きそびれたと嘆いていた。
「甘い物は嫌いか？」
少しだけ表情が変わった。戸惑いと呆れ、そして微量の軽蔑。仮にも上司なんだがな……？
「総統閣下は大層甘味がお好きと言うのは重々承知しておりますが」
「この前茶会に誘ったが断わっただろう。その時に貴殿は“食べたことは無い”と言った」
「そうでしたね」
「コネシマ達と同じく甘い物は嫌いか？」
「えぇ。そもそもアレは女子供が食べるものだと父上に言われましたので」
成程、そう来たか。軽蔑の目はそれもあってか拍車が掛かる。食わず嫌いとも呼べる理屈に口角が上がる。
「ならば今度は正式にお招きしよう。明日の午後三時。我々の茶会に来ないか？」
「お断り致します。明日は休日ですので」
……休日を理由にまた断わられたゾ。流石に休日まで上司と顔は合せたくないか。それに休日は平等に与えられた権利だからな。仕方ない、また日を改めるしかない。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました！大きく動いた回(?)となっております！ (2020年7月6日 22時) (
レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました！ (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので！それまでもう暫くお付き合いくださいませ！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…！軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています！長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)
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