20-白馬 ページ20
イフリートの本来の飼い主はゾムだけど、忙しい時は俺や大ちゃんが散歩したりご飯をあげる事になっている。今日はその日で、敷地内を決まったコースで散歩させている途中だった。
「あれ、イフリート？」
ふと顔をあげたイフリートが、一目散に駆けていく。何だ何だ、観光客か内ゲバか！？と思ったけど、杞憂に終わった。敷地内の一角に作った俺の庭の畑の方に誰かが居たようで、そいつの匂いを嗅いで駆けたらしい。しかも見覚えのある人。
「バグローヴィ、だっけ」
唯一幹部入りしていない司令官。本来ならエーミールと同期になるはずだったのに、幹部補佐として警邏部隊を率いる赤蜘蛛の司令官。日常会話をするくらいは親しいけど、なんか壁があるんだよなぁ。コネちゃん中心に数人が毛嫌いしてるけど、真面目な性格でトントンとかエーミールからの評価は高いんじゃないか。最後に会話したのはマンちゃんの書類が紛れていた時くらいか。
「確か、イフリート様、でしたっけ」
「わふ」
「わわ、見ないでください。見せられる程の物では無いので」
「くぅん」
「うわ、伸びないでください！」
なにあれ。ちょっと面白いぞ。イフリートが何やらバグローヴィの持っているスケッチブックに興味津々で、彼は見られたくないのか上に掲げて避けたけどイフリートが前肢を載せて同じように伸びたから凄い慌ててる。
さて、面白い所も見られたし、助けに行こうか。
偶然を装って話しかけてみると、やはり真面目な性格故かわざわざ立って敬礼しようとしたから座らせた。地べたにスケッチブックを置かせるのは何だか忍びない。イフリートに見られたくないくらい大事な物なのだろうし。でもちょっと気になるから覗き込んだら、この畑を描いていたらしい。え、上手。会話は続かなかったけども立ち去るのも惜しい気がして、再び鉛筆を握って描き始めるバグローヴィを観察してみる。
「バグローヴィの手って小さいね」
俺と体格も変わらないのに、異様に小さく感じる手。でもちゃんと武器は扱えてるし、立ち回りもしっかりしている。真面目に一々階級で呼ぶのが面倒臭い気がして、幹部命令で渾名で呼ばせミドルネームで呼んた。うん、やっぱり真面目だ。これは彼等が気に入る訳だ。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - ミツユキさん» 誕生日プレゼントとしてもう一話更新しました！大きく動いた回(?)となっております！ (2020年7月6日 22時) (
レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
ミツユキ - 更新ありがとうございます。私の、最高の誕生日プレゼントになりました！ (2020年7月6日 18時) (レス) id: c04652f79c (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ＠pc垢 - わぎゃあコメントありがとうございます!!コメント嬉しすぎて語彙力追い付かないです。現時点が今作一番の山場ですが、しっかりとハッピーエンドに向いますので！それまでもう暫くお付き合いくださいませ！ (2020年7月5日 22時) (レス) id: a79284f49c (このIDを非表示/違反報告)
碧 - コメント失礼致します。とても丁寧に作り込まれたお話で、私の語彙力ではこのお話の素晴らしさを言い表すことが出来ません…！軍パロ作品の中でも特に繊細に作られたお話だと感じました。これからも素敵なお話を楽しみにしています！長文失礼致しました。 (2020年7月4日 17時) (レス) id: 7cbe04ba0e (このIDを非表示/違反報告)
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