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ラペルピンが無い…いやそんな馬鹿な事ある⁉引き出しの奥の誰も気付かない様なスペースにしまっていたのに！
部屋が荒らされている事迄は気が向かなかった。ただラペルピンを探そうと他の引き出しやベッドの下、棚の隙間、クローゼット、どれも全てくまなく探す。でもあの煌びやかに光る宝物は見つからない。
その時、それ程大きな音を立てて探していたのか恐らく部屋の前を通り過ぎようとしていたであろうメイドの人がノックをして困惑した様子で入ってきた。
「A様⁉如何なされましたか？お部屋の様子も酷く荒れていますが…幹部方をお呼びしましょうか？」
でもその呼び声が今の僕に聞こえる訳が無く、メイドの人の姿を見つけるとしがみ付く様に、縋るようにして尋ねた。
『ね、ねぇメイドさん、僕の宝物見てない⁉どこにも無いんだよ！引き出しもベッドの下や棚の隙間もどこにも！ねぇ知らない？僕の初めての友達から貰った大事な物、知らなっ』
突然首の後ろ辺りに振動がしてその場に倒れ込んだ。なんでか分からず気力を振り絞って後ろを向くとダクトの蓋とゾムの姿が有った。
ゾムはメイドの人に向かって手を払うと辺りを見回して僕に近付いたけどそこで意識が途絶えた。
誰も居ない真っ暗な中上下もなくずっと闇が続いている。
ここどこ？確か僕は部屋に居て…そうだ！早く探さないと！
周りが闇しか無くて怖いけれど、どうにか出口はないかと一歩一歩前に進んでいくと見慣れた人影が現れた。
gr「よう、A。ラペルピンを無くしたんだって？」
『ごめんなさい！わざとじゃないんだよ。僕の不注意のせいで…』
gr「俺はお前を認めたからアレを渡したと言うのに。A、お前には幻滅したゾ」
その声は酷く冷淡でその言葉が冗談では無い事は嫌でも理解出来た。グルッペンは頭に手を置いて、大きな溜息を吐くと僕に背を向けてどこかへ歩き出した。
慌ててグルッペンを追いかけようとしても水流の中に居るみたいに一向に前に進めなくて、グルッペンとの距離はどんどん離れていく。
ねぇ待ってよ！なんで進めないの？グルッペン止まってよ。僕がラペルピンを無くしたのが悪かったからさ。だから、お願い、
『お願い！もう僕をあの独りぼっちの世界に戻さないで！一人に…しないで！』
するとグルッペンの姿が急に消えて全然余裕で前に進める様になった。
でも、その事に疑問を抱く前に辺りの闇が僕の視界を包んだ事であの時と同じ様に意識が途絶えた。
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水龍(プロフ) - 月歩さん» 了解です！ (2020年3月1日 19時) (
レス) id: 04e8b3ba29 (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - くずをさん» ありがとうございます！応援して貰える分もっと頑張れます！これからもよろしくお願いします！！！ (2020年2月25日 4時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 初見失礼します！あなたの小説面白くて大好きですこれからも応援してます！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
月歩 - 本当ですか！そう言って貰えて嬉しいです！！！ (2020年2月24日 9時) (レス) id: 55b2340671 (このIDを非表示/違反報告)
夏夜空 - 面白すぎますこんな事思い付かないです！ (2020年2月24日 9時) (レス) id: 62e5250950 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月歩 | 作成日時：2020年2月22日 21時
