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とんとん、と音を立てて1人分の革靴の音と1人分のスニーカーの音が小さく響く。
数を数える暇もない僅かな時間で空間を移動した2人。
これが彼女、成瀬柚希の持つ超能力である。空間を移動するこの能力は意識した物体を空間の狭間に入れ込み別空間に移動させる力で、僅かなタイムラグが発生する。
空間の狭間を使わず物体を直接移動させる【瞬間移動】という能力があるが、それはまた別の機会に。
「さてと...ここが3番通りの14つ目の角?」
「いや逆。14番通りの3つ目の角...なんか変な感じするな、ここ」
「ここらへんで消えたってことだよね、伊緒が」
「めっちゃ無視するじゃん」
橘がきょろきょろと周りを見渡すが、伊緒や梨紗の陰は愚か人の気配すら感じ取れない。
「ねえ」
柚希が青色の綺麗な瞳をちらちらと動かしながら口を開いた。
「さっきの誘拐事件ってさ」
「おう」
「...伊緒のことかな」
「え...」
あまりにもタイミングが合い過ぎている。
「月学区第7地域」という世界でほぼ同じ時間に2つもこのような不可解な事件は起こるか?小さな万引きなら小さな偶然で済ませることができようと、一つの命が大きく動くような事態が、そう何度も起こり得るだろうか。
例え、今日日警備網が薄いのではないかと言われるような都市でも、ここまでの偶然は偶然か。
「いやいやいや、それは無いでしょ。もしそうだとしたら公安機動局が既にここ一体に来てるはずだし...それに、ニュースになってるくらいなら梨紗以外に目撃者がいるってことでしょ?だったら...」
「それが、すべて必然だとしたら?」
「へ?」
「公安機動局が来られないような空間設計に成されていて、通報したのは本人だとしたら?」
「...根拠は」
「さっきも言った通り」
美しいその青色の瞳は、細められる。
「
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Noel*26(プロフ) - いちごさん» 連コメあざ 頑張って続き書くー頑張るー 伊織じゃねえ伊緒な...(ボソッ (2020年4月23日 21時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - ベルガモットと違ってストーリー知らないからワクワクする!伊織ちゃーーん (2020年4月23日 18時) (レス) id: e17064fc66 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - いちごさん» 更新頻度上げるから目を閉じていてくれ (2020年4月18日 18時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - じゃんじゃん身バレしとるぞコイツ笑笑 ((殴殴蹴蹴ですよw (2020年4月12日 18時) (レス) id: e17064fc66 (このIDを非表示/違反報告)
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