「迷イのアリス」と帽子屋 ページ13
「トランプ。怖がらないで____」
女王の声が、響く。トランプ兵は震える手で、
彼女の手をしっかり握りしめた。
突然、トランプ兵の体がビクッと跳ねる。
そのまま彼女は女王の胸に顔を埋めるように
動かなくなった。
「＿＿＿＿＿ふふ、気づいていたのに助けられないとは辛いですわね。」
「＿＿＿＿女王。貴殿はもしや」
「ええ、事前にネムリネズミさんに確認しました。彼女が何番目に亡くなるか。」
トランプ兵の頭を撫でながら 寂しそうに告げた
「あなたも、そうでしょう＿＿＿＿＿？」
私はポケットから袋を取り出した。
綺麗な紺色のリボンが巻かれた クッキーだった
これは数日前にネムリネズミがくれたクッキーだった
＿＿＿＿＿秋沢四乃にではなく、cloverに対して、だった。
私がcloverだと彼女に伝えたのだが冗談だろうと言われ、それから私は彼女と気まずいままだった。
「私も彼女から貰いましたわ。とても美味しかったですわよ。」
＿＿＿＿＿私はリボンを取ると袋を開けた。
甘い匂いが部屋に漂う。
四葉型のクッキーだった。彼女が作ったという証拠のようにところどころ形が歪なものもある。
今になっては、それすら愛おしい
「ん？？」
最初は割れただけだと思っていたクッキーに手が伸びる。
これは、ハート型だった。
彼女は愛情表現が苦手なのか____
「不器用ですわよね。____ネムリネズミさんは」
女王はそっと微笑んだ。
「ネムリネズミさんに、聞いてみたんです。クッキーどなたに差し上げたのかしらって＿＿＿＿＿。」
「それで、どうだったんだ？」
「＿＿＿＿真っ赤になりながら小声で、貴方の名前を告げたのですよ」
ハートの女王はそっと、呟いた
「＿＿＿＿＿さぁ、彼女とまたお話して来てください。」
「＿＿＿＿＿ああ、そうする。」
クッキーの袋をまた、綺麗に閉じると一欠片だけ、
クッキーを口に入れた。
＿＿＿＿＿アリスside
「ここだよね、あと考えられるっていったら。」
図書室の中に、入ると思い出す顔があった。
あの机の上でいつも、紅茶を飲みながら本を読んでいた。
「＿＿＿＿＿あった。」
本の上に静かに宝石は輝いていた。
下の本を傷つけないように、本を横にずらす。
そして私は、ハンマーを思い切り振り下ろした
宝石は、砕け散ってキラキラと光輝いた。
じわじわと、心を蝕んでいく。
私は涙を堪えながら図書室をあとにした
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Rain(プロフ) - コメント返信遅れてすみませんヾ(･ω･`;)ﾉ2人はもちろんですがアリスとチェシャ猫、ハートの女王様とトランプ兵ちゃん達もこれから色々ありますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年11月4日 14時) (
レス) id: 2be2978128 (このIDを非表示/違反報告)
杏梨 - すっごく面白いです！個人的に帽子屋さんとネムリネズミちゃんの雰囲気が好きです！これからも応援してます(*´ω｀*) (2018年10月12日 20時) (レス) id: 39f1435603 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rain | 作成日時：2018年10月3日 19時
