教育を選んだ ページ8
硝「気分は？」
『……目覚めてすぐに婚約者(仮)に会わなくて済んだから割といい方だね』
まぁ左手と右脇腹に違和感があるぐらいかな、と付け加えた私に少し眉毛を動かして見せた硝子ちゃん、彼女は相変わらずクマが酷い。
『私よりも硝子ちゃんの方がよっぽどヤバそうに見えるけど？』
硝「それだけ軽口を叩けるならば大丈夫だな」
『まだ起き上がらない方がいいよね？』
硝「そうだな、暇だろ。何があったか聞くか？」
多分私の身体に残った違和感の正体は追求しない方が今はいいのだろう。
『硝子ちゃんのそういうとこ本当好きだよ』
硝「私もAのことは好きだよ、歌姫先輩の次ぐらいには」
『ん〜
だからそれは今は置いておいて、硝子ちゃんから語られる私が眠っていた期間の話に集中することにした。
─────────────
私が意識を手放した後、宿儺は私を連れて宿舎の外に出て伏黒と交戦、その時自ら虎杖の心臓を抜き取り伏黒の奮闘虚しく、宿儺は虎杖の心臓を反転術式で治すことなく虎杖が宿儺と交代して伏黒の目の前で死亡したらしい。
『そっか……私、伏黒に悪いことしちゃったね……』
目の前で、会ったばかりとは言え、同期の死に様を見せてしまった。
副担任にあるまじき行為だ。
上層部の命令が発端とは言え、あの場面で意識不明になるべきではなかった。
{何が1級呪術師だ……}
タオルケットごと拳を握り締め、己の弱さを噛み締める。
硝「……私もある意味同罪な気もするがな」
『え？』
硝「実は虎杖を解剖しようと準備してたらな──」
─────────────
五「……夢があるんだ」
伊「夢……ですか？」
硝子ちゃん曰く、たまたま聞こえたらしい会話内容を要約するとこういうことらしい。
五条さんは兄さんの事件以降の私や虎杖の件でも察せられる上層部、延いては呪術をリセットしたいと考えているらしい。
五「保身馬鹿、世襲馬鹿、高慢馬鹿、ただの馬鹿、腐ったミカンのバーゲンセール」
──────────────
硝「とも言ってたな」
『それ言えるの五条さんだけでしょ……』
硝「違いない」
──────────────
五「上の連中を皆殺しにするのは簡単だ。でもそれじゃ首がすげ変わるだけで変革は起きない。そんなやり方じゃ誰も付いて来ないしね。だから僕は教育を選んだんだ。強く聡い仲間を育てることを」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いもけんぴ星人 | 作成日時：2024年2月8日 17時
