婚約継続の条件 ページ3
硝子ちゃんに医務室を追い出されて高専内の自室に戻った。
およそ2週間ぶりの自室だ。
ゆっくりしようと思ったら、五条さんが来た。
『ちょうどよかった、私も話したいことがあったんです』
なんて言って、部屋に通した。
五「ごめん、勝手に婚約なんかして……」
『それに関しては許しません』
五「うん、許して貰えるとは思ってない。硝子にも怒られた」
『話したいことというのは婚約についてです』
婚約のことというか、婚約継続の条件だ。
『五条さんが死亡もしくは呪術師として活動、意思決定ができなくなった場合、速やかに婚約を解消して私は国外に出ます。もし五条さんが戻ってきたとしても私は戻りません』
五「オマ……」
『私がそうなった場合も同様に婚約を解消してください。それが婚約継続の条件です』
強引なのはわかってる。
でも天内理子が死亡し、兄さんが離反し呪術テロを決行、死亡した現在の状況からして、確実に宿儺は受肉し、渋谷事変で五条さんは封印される。
渋谷事変後の上層部の対応は2通りだ。
1:五条悟と婚約関係にある私も渋谷事変の共同正犯として夜蛾学長と共に処刑。
2:五条悟と婚約関係ではあるものの、共同正犯としての証拠がないため処刑は免れるが疑いは晴れないため禁錮刑に処される。
そう、2つとも五条さんと婚約関係にあったがためになった結果だった。
五条さんとの婚約はおそらく兄さんが離反後に私が戻ってきてすぐに結ばれたもの、つまり兄さんが離反した時点でこの展開がほぼ決定されてしまっているということ。
上の2つを回避する方法はただ1つ、五条さんか私が死亡もしくは呪術師として活動、意思決定ができなくなった場合婚約を解消すること。
つまり、渋谷事変で五条さんが封印された時点で婚約を解消するしかないということだ。
なぜ私が上層部からの処刑を回避したいのか、それはおよそ2万4998回前の人生まで遡る。
あの時私は初めて上層部に殺された。
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作者名：いもけんぴ星人 | 作成日時：2024年2月8日 17時
