・ ページ5
・
『なんで了承しちゃったんですか…』
「お前が心から好きになった人と結婚したいという気持ちはよく分かるし、できることなら叶えてやりたいと思って今までの縁談を断るのは許してきた。けど、今回は国同士の問題となるんだ。分かっておくれ」
『……分かりました』
「ほら、元気を出して。今日はあの子が帰ってくる日だろう？」
『あ、そうだった！！門まで迎えに行ってきます』
「あぁ、いってらっしゃい」
門まで走っていくと、見覚えのある姿がこちらに歩いてくるのが見えた。
彼の元へ走って行き、その勢いのまま飛びつく。
『…ジフナッ！！』
「うぉ、危ないだろ」
『とか言いながらもちゃんと支えてくれるんじゃん』
「当たり前だろ」
『ふふ、おかえり』
「ん、ただいま」
彼は私の双子の兄であり、この国の王太子である。つまり、私が隣国へ嫁いでも立派な後継者がいるというわけだ。
『あ、そういえば！！ちゃんと謝ってよね！！どこに行くのかも言わずにいきなり出かけて、後から1ヶ月も帰ってこないって聞かされてびっくりしたんだからね！！』
「ごめんごめん。でも、言ったらどうせ泣いて、私も行く〜！！って喚いただろ？」
『うっ…』
「ほらな。まぁ元気そうで何よりだよ」
『元気ではあるけど、ずっと宮殿の中にいるのも退屈。これじゃあ鳥籠の中にいるみたいだわ。もうすぐ18歳になるのよ？もう縛られる生活は嫌。自由に生きたい…』
私たちの母親が数年前に亡くなった。王家を狙った暗殺者に。
私は母親似らしく、心配性であったお父様は母親の死後、より一層私に対する過保護が増した。二度と大切な人を失わないように、と。
ジフナに関しては、ある程度の者であれば一人で対処できるほどの力があったため、誰かが護るよりも動きやすい環境を整える方が得策だと考えたのだろう。彼は私と違って、この宮殿に縛られることはなかった。
『…いいなぁ、ジフナは自由に生きることができて。それにね、私結婚することになるんだって』
「は？結婚？誰と？」
さっきまでの優しい声とは打って変わって、いきなり低い声に変わるものだからびっくりしてしまった。
『隣国の王子様だって。顔も知らない人と結婚するなんて嫌だよ…
ジフナはどんな人か知ってる？』
「隣国の王子……いや、知らないな」
『そっか』
どこか濁したような話し方をしていたが、それには気付かないふりをした。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Re:(プロフ) - ただの専門学校生。さん» わぁぁ！！ありがとうございます…！！ おそらく無事に(?)作成できたと思います！！丁寧に教えてくださって感謝です；； 嬉しいお言葉もありがとうございますㅠㅠ (2022年4月15日 17時) (
レス) id: 320fdc4232 (このIDを非表示/違反報告)
ただの専門学校生。(プロフ) - アンケート作るの、特に難しいことはないので簡単に作れます！ (2022年4月15日 12時) (レス) id: ca3a9bdb52 (このIDを非表示/違反報告)
ただの専門学校生。(プロフ) - はじめまして！更新楽しみにしておりました、今までのお話し全部好きです！アンケートは作品を作る画面に、アンケートメーカーっていうのがあるのでそれでできますよ！！あと3人も楽しみです〜！ (2022年4月15日 12時) (レス) @page28 id: ca3a9bdb52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Re: | 作成日時：2022年3月1日 19時
