・ ページ3
・
「ま〜た暇そうな顔してんな」
『ホシ！！来てくれたの？』
「新しい振りを考えたからAに見てもらおうと思って」
あれから何度か足を運んでくれ、彼は城内の一員のような存在となった。現在は顔パスで門番を通過できるほど。
そして私たちの距離も縮まり、お互いに名前で呼び合うようになった。最初は王女様の名前を呼び捨てにはできないと断られ続けたのだが、虎に会わせてあげると言ったらすぐに折れた。まさか虎に負けるなんて…
「わ、虎だ！！かっこいい〜！！これが前言ってた子？ペット…って認識でいいの？」
『ふふ、この子は私の友達なの。だから彼も城内を自由に歩き回ってるわ。ボディーガードもしてくれるのよ』
「わぁ〜、すげ〜！！これ背中に乗ったりできる？」
『もちろん。ラジャー、彼を乗せてあげて』
私の命令のみ聞く賢い虎。
今も私の声でホシが背中に乗れるようしゃがみ、大人しくしている。
ホシは憧れていた虎の背中に乗れて嬉しそうだ。
「やべ〜！！振り付けの創作意欲がさらに湧きそう！！」
『ふふ、それは良かった』
彼が振り付けも自分で考えていることを知った時は、彼の才能に驚愕したものだ。
それからは私達はいつものようにたわいのない話をする。外の世界をよく知らない私にとって、彼の話はまるで絵本の世界を覗いているようだった。
「あ、そういばさ、しばらくの間ここに来れなくなるわ」
『え！！どうして？？』
「ちょっと遠くまで行かないといけなくて」
『仕事？』
「ん〜、まぁそんなとこ」
彼の踊りは国中で絶大な人気を誇っている。
きっとどこかへ披露しに行くのだろう。
『そっか、仕事なら仕方ないね』
「寂しい？」
『うん…』
「お、可愛いこと言ってくれるねぇ〜」
『ちょっと！！髪の毛ぐしゃぐしゃになっちゃう！！せっかくセットしてもらったのに〜』
「はは、ごめんごめん」
そうは言いつつも彼の手は私の頭の上に置いたまま。本当に分かっているのだろうか…
「じゃあ帰ってくる時にはお土産でも買ってくるわ」
『楽しみにしてる。頑張ってね』
「おう」
彼の踊りは本当に素敵だ。
今度もきっと、彼はたくさんの女の子を魅了するのだろう。
本人に自覚がないから本当に困ったものだ。
『ほんと、罪な男だなぁ…』
きっと私は永遠に彼の虜だ。
まるで、蜘蛛の糸に絡まったかのように、この魅力は解けることがないだろう。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Re:(プロフ) - ただの専門学校生。さん» わぁぁ！！ありがとうございます…！！ おそらく無事に(?)作成できたと思います！！丁寧に教えてくださって感謝です；； 嬉しいお言葉もありがとうございますㅠㅠ (2022年4月15日 17時) (
レス) id: 320fdc4232 (このIDを非表示/違反報告)
ただの専門学校生。(プロフ) - アンケート作るの、特に難しいことはないので簡単に作れます！ (2022年4月15日 12時) (レス) id: ca3a9bdb52 (このIDを非表示/違反報告)
ただの専門学校生。(プロフ) - はじめまして！更新楽しみにしておりました、今までのお話し全部好きです！アンケートは作品を作る画面に、アンケートメーカーっていうのがあるのでそれでできますよ！！あと3人も楽しみです〜！ (2022年4月15日 12時) (レス) @page28 id: ca3a9bdb52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Re: | 作成日時：2022年3月1日 19時
