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「ほう、では任務は成功したが証拠となるものがないと」
「はい。仕留めようとしたところ、恐怖のあまりか崖から飛び降りてしまったので。証拠となるものをお持ち出来ずすみません」
「まあよい、良くやった。下がってよいぞ」
「かしこまりました」
どうやら上手く騙せたようたが、バレるのも時間の問題だろう。
「僕も身を隠すか…」
小人達が住んでいる小屋の近くにあった空き家を拝借し、シナリオを崩してしまわないようAに会うことはせず、ただ傍で見守り続けた。
1週間くらい経った頃だろうか。
王子様らしき人物が物語に登場した。ここがAと王子様の出会いの場になるのか。
元の世界に戻るためとはいえ、Aが他の男と結ばれる姿を見ることになるなんて…
「顔が良いのがさらにムカつくな…」
誰が見ても、思わずカッコいいと言ってしまうほど整った顔をしており、王子様として選ばれただけのことはあるなと思った。悔しいけれど。
自分と彼を見比べ、思わず溜息が溢れる。僕がもっとかっこいい見た目をしていたら、Aも異性として意識してくれていただろうか…
そんな自己嫌悪に陥っていると、どうやら2人の出会いは終わったみたいだ。お互い笑顔で過ごしていたし、きっと好印象は抱いているだろう。
「どうかこのまま無事に物語が進みますように…」
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「りんごはいかがかね?」
ついにこの日が来た。
この後に起こることを知っているからか、Aも少し身構えているようだ。笑顔がぎこちない。
『わぁ〜、美味しそうなりんご。ありがとうございます』
さすが女優の卵。疑っていることなど微塵も感じさせない演技で、老婆に扮した女王からりんごを受け取る。
女王から受け取ったりんごは黒く澱んでおり、一部に紅く染まったハート模様が現れていて…
あれ?これと同じりんごをどこかで見なかったか?
たしか、Aが持っていた台本だ。
もし、その通りにシナリオが進むのであれば…
ー 王子様のキスでも、一生目覚めることのないお姫様
この世界は、バッドエンドで終わるお話だ。
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Re:(プロフ) - ただの専門学校生。さん» わぁぁ!!ありがとうございます…!! おそらく無事に(?)作成できたと思います!!丁寧に教えてくださって感謝です;; 嬉しいお言葉もありがとうございますㅠㅠ (2022年4月15日 17時) (レス) id: 320fdc4232 (このIDを非表示/違反報告)
ただの専門学校生。(プロフ) - アンケート作るの、特に難しいことはないので簡単に作れます! (2022年4月15日 12時) (レス) id: ca3a9bdb52 (このIDを非表示/違反報告)
ただの専門学校生。(プロフ) - はじめまして!更新楽しみにしておりました、今までのお話し全部好きです!アンケートは作品を作る画面に、アンケートメーカーっていうのがあるのでそれでできますよ!!あと3人も楽しみです〜! (2022年4月15日 12時) (レス) @page28 id: ca3a9bdb52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Re: | 作成日時:2022年3月1日 19時