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「……ねぇ、A。君に言わなければならない事があるんだ」
でも、隠し事をするのは嫌なので正直に話す事にした。
「…実は、…」
ゴーン…
僕の言葉を遮るように、間もなく12時であることを告げる鐘が鳴る。
なんだか嫌な予感。
ふと彼女の方を見ると、少しずつ身体が消えかけていた。
「…っ、A、身体が……!!」
そうか、君も…
「君も、この世界の住民じゃなかったんだね…」
「待ってて!!もう一度、必ず君を見つけるから…!!」
どうか君と僕が同じ世界にいますように。
「どうか僕のことを忘れないで…
A、愛してる」
確信がないのに君を縛り付ける狡い僕を許して。
『…っ、私も…!!私も愛してる……!!!ずっと待ってるから…』
その後に続く言葉が僕の耳に届く前に彼女は消えた。
JH「…はぁ〜、長かった。やっと開放されたよ……
お前、俺を囮にしやがって!!」
と言ってハニがこちらへ歩いてくる。
JH「あれ?Aは?てっきり一緒にいるもんだと」
彼女が消える姿は見ていなかったようだ。
「……Aは元の世界に戻ったよ」
JH「は?何言ってんの?……って、お前、身体が…」
どうやら僕も時間切れみたいだ。身体が少しずつ消えていく。
JH「おい、大丈夫か!?」
「大丈夫だから心配しないで、ハニ。
僕を傍で支えてくれてありがとう。もうお別れみたいだ。僕はこの世界の住民じゃない。だから元の世界に帰らないと」
JH「…嫌だ、ジス行かないで」
「ふふ、泣き虫なところも僕が知ってるハニとそっくりだなぁ〜」
JH「…そっちに俺に似た人がいるの?」
「うん、そいつもずっと僕の傍にいてくれた親友だよ」
JH「……そっちの俺にもよろしく頼むよ、ジス」
俺が泣いたらお前が困るだけだもんな、と言って悲しそうに笑う。
「…またね、ハニ」
そこで僕の意識は途絶えた。
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次に目を開けた時に視界に入ってきたのは自分の部屋。
「……夢みたいな時間だったな」
スマホを見てみると、どうやら日付は変わっていないようだ。でも、あれは夢じゃなかった。
「…探さなくちゃ、Aを」
それからの僕の行動は早かった。国中のAという人物を探し集めた。今日ほど自分の立場を嬉しく思った時はないだろう。
さすがに個人情報を深く探ることは出来ないため、顔を見ることが出来なかったが、Aという女性を手当り次第探すことにした。
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Re:(プロフ) - 千笑さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますㅠㅠ私もプリンセスの中で一番シンデレラが好きなので、とても長くなっちゃいましたㅎㅎ (2021年9月22日 21時) (レス) id: 7a7c61f04b (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 主さんの世界観が素敵すぎて、脱帽です!個人的にもシンデレらが好きなので、とても楽しませていただきました。ウジの話も面白かったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年9月22日 7時) (レス) @page50 id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - ありすさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです;; 毎日更新出来るように頑張っていくので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです^^ (2021年4月2日 22時) (レス) id: 1513ece9ab (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - コメント失礼します!おとぎ話と現実がいい感じに混ざってて私の好みドストライクです!!セブチのファンタジーとか需要でしかないのでこちらの作品に出会えて嬉しいです…更新楽しみにしています! (2021年4月2日 21時) (レス) id: 876b37614f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Re: | 作成日時:2021年3月30日 17時