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「はい、これ」
そう言って目の前の彼がナヨンさんの顔の前に掲げたのは退職命令の紙。
NY「…どうして!!」
「上のやつらがお前の扱いに困ったってことだろ。周りによく思われてないって自覚あるか?」
むしろよく今日までこの会社に残っていられたなぁ〜、なんて彼は笑っている。
NY「……ふ、ふざけないで!!じゃあここは誰が取り仕切るってのよ!!!」
「俺。
お前の後釜ってのは嫌な感じだけど、上のやつらに頼まれたからにはやらないとな。めんどくせぇけど」
NY「……っ!!」
「他になんか言うことは?」
NY「…ないわよ!!」
「じゃあ、とりあえずこいつに謝れば?」
と言って私を前に出す。
え、ナヨンさんが怒りに震えてる時に私を出すの!?という目で彼を見るが、何か問題でも?という顔をされる。
………まじか
NY「…………わよ」
『え?』
NY「悪かったわよ!!」
『……どうして私にだけ酷い態度を取っていたのか聞いてもいいですか?』
NY「…彼氏が、あんたに惚れたって理由で別れ話を切り出したから。
会社での飲み会で私を迎えに来てくれた時にあんたに一目惚れしたみたい。……優しい人だったから、他の人に惹かれてる状態で私と付き合う事は出来なかったんでしょうね」
『え、でもデートは…?』
NY「デートっていうのは嘘。あんたのせいで別れたとか認めたくなかったのよ」
……え、そんな理由で私だけ酷い扱いされたわけ?
「お前ガキだな」
NY「…う、うるさいわね!!私だってガキみたいな事してるって自覚くらいあるわよ!!!」
なんか、ここまでくると怒りじゃなくて呆れになるな……
NY「…本当にごめんなさい」
そう言って頭を下げると彼女は会社から去って行った。
「じゃあ俺はあいつが残した分の仕事をやらなきゃだからもう行くわ」
『あ、ありがとうございました。
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ジョンハンさん』
JH「どういたしまして。…って俺名前教えたっけ?」
『な、なんとなくです!!そんな名前っぽい顔してるじゃないですか!!』
JH「ふ、何それ。変なやつ」
そう言って笑う姿はあの世界の彼と同じだった。
JH「名前は?」
『Aです』
JH「Aね、これからよろしくな」
『はい、よろしくお願いします』
声を聞いた時にジョンハンさんだってすぐ分かった。顔を見た時にもやっぱり彼だったって。
でも彼には私の記憶が無い。
……彼もそっくりなだけだったのか。
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Re:(プロフ) - 千笑さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますㅠㅠ私もプリンセスの中で一番シンデレラが好きなので、とても長くなっちゃいましたㅎㅎ (2021年9月22日 21時) (レス) id: 7a7c61f04b (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 主さんの世界観が素敵すぎて、脱帽です!個人的にもシンデレらが好きなので、とても楽しませていただきました。ウジの話も面白かったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年9月22日 7時) (レス) @page50 id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - ありすさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけてとても嬉しいです;; 毎日更新出来るように頑張っていくので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです^^ (2021年4月2日 22時) (レス) id: 1513ece9ab (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - コメント失礼します!おとぎ話と現実がいい感じに混ざってて私の好みドストライクです!!セブチのファンタジーとか需要でしかないのでこちらの作品に出会えて嬉しいです…更新楽しみにしています! (2021年4月2日 21時) (レス) id: 876b37614f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Re: | 作成日時:2021年3月30日 17時