◇ ページ18
乱れた息を整えた後､トントンさんは額の汗を手の甲で拭い私からシャオロンを剥がす｡
私の体を自身の方へ抱き寄せ､守るようにぎゅっと程よい強さでするもんだから､きゅんっと胸は音を鳴らしてしまう｡
ストーカーに思わずときめいちゃってるなんて､シャオロンに対して自分が思ってたより恐怖を抱いていたみたいだ。
｢離せや｡Aは俺のやぞ｣
｢何が俺のやねん｡元彼はもうお呼びじゃないねんから帰れよ｣
｢あ？｣
付き合っていた時には見た事がなかった敵意が全面に溢れでているシャオロンに､またも恐怖で体が強ばる｡
気持ち悪いくらい優しくて怒るという行為を全て母体に忘れて生まれてきたと思ってたメンヘラ男は､今にでも殴り掛かりそうなくらい怒りの感情を露わにしていた｡
ぎゅっと無意識にだったがトントンさんの服を掴んでいた私は更に強い力で掴む｡
それに応えるように守るように抱き寄せた腕はさらに距離を縮まらせ､触れた所から伝わる熱が大丈夫だと告げているようだった。
こんなにも異性の腕の中にいるのに安心できるのは警察官だからなのと､今までの元彼のせい｡
決してトントンさんだからとか､そんなんじゃない。
そう自分に言い聞かせるように逞しい身体に自身の体を預けていれば､シャオロンは笑を零した｡
声に出し､ははっ…と力なく笑うから更に気味悪さを増す｡
｢Aが俺を受け入れてくれへんのなら､死ぬで｣
｢な､に言ってんの…｡前に別れた時もそう言ってたよね｡引っ掛からないよ｣
｢本気やったら戻ってきてくれるん？｣
シャオロンの上着のポッケから出てきたのはカッターだった｡カチカチ、刃を出して自身の手首に当てる｡
不安げな表情を浮かべているシャオロンを見る限り､その行為は強がりなんだと分かる｡
本当は死にたくないけど､私とヨリを戻すためにはここまでしないといけないと思っているんだ｡
｢Aが初めてやねん｡こんな俺を放っていかんで一緒に隣歩いてくれたのはAが初めてで､これからもずっと隣で俺を愛してくれると思ってた｣
泣くのを堪えた瞳は､真っ直ぐ私を捉える｡
その瞳は､助けてとシャオロンが訴えてるみたいで逸らすことができない｡
｢なんで､俺を愛してくれへんの…？｣
子供の我儘のようなその言葉に､ぷつんっと何処かから音が鳴った｡
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あきみかん(プロフ) - コメント失礼します。完結おめでとうございます！とっても面白かったです。またちょくちょく読み直しに来ようかな…。とにかく、こんな良い作品をありがとうございました…！ (2021年7月12日 22時) (
レス) id: 8016636dd6 (このIDを非表示/違反報告)
とかげ - 連チャンになってしまって申し訳ないのですが、完結おめでとうございます！！素敵な作品を生み出してくださり、どうもありがとうございました！！お疲れさまでした！ (2021年7月12日 17時) (レス) id: f7b3ff643c (このIDを非表示/違反報告)
rice。(プロフ) - とかげさん» コメントありがとうございます〜！熱量が伝わるコメントとても嬉しいです！無理のないよう最後まで駆け抜けるので､最後まで読んでくださると嬉しいです｡ (2021年7月11日 21時) (レス) id: 2bcfda530e (このIDを非表示/違反報告)
とかげ - コメント失礼します！！めっっちゃ好きです！！！！！最終的にみんなが主ちゃんに対する見方を変えるというか、改心するようなくだりが本当に好きです！！！！tnさんとの絡みも大好きです！！！！更新のために無理をする、なんてことはなさらないでくださいね！！！！ (2021年7月11日 20時) (レス) id: f7b3ff643c (このIDを非表示/違反報告)
rice。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます〜！ひゃ~そういうふうに言ってもらえて嬉しいです！これからもメンヘラヤンデレのオンパレードですので､無理しないで読んでくださると嬉しいです｡頑張ります！ (2021年4月6日 8時) (レス) id: a90d1b4d15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rice。 | 作成日時：2021年1月8日 22時
