The remaining time～5～ (ページ20)

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撮影現場へ移動して

早速カメラマンさんの指示に従って撮影を行う

カ｢今日のテーマはね
誰か一人大切な人を思い浮かべてね！
で、その大切な人を愛する気持ちをその表情を撮りたいからお願いします！｣

どんなテーマだよってツッコミたくなるような
テーマだけど、この雑誌は何を求めてるの？

まぁ、この雑誌はちょっと恋の方かもしれないけれどさ…

あ｢みんなの表情が気になるね！｣

あぐりは何故か目をキラキラさせながら撮影にのめり込んでいる

『ほんとに、楽しみだね…』

って、思ってはいるものの
ちょっと胸の奥がザワザワする…

これは何？

撮影が始まり最初は隼くんからだった

カ｢いいねぇー、もうちょっと悲しそうに…
そう、バッチリ！最高！良かったわ隼くん！｣

隼｢ありがとうございます｣

あ｢隼くんのあんな表情初めて見たかも…
カッコイイ…切ない顔も似合っちゃうなんてやっぱり顔面偏差値高い！｣

あぐりになんか変なスイッチが入ったみたい…

あ｢あっ、次は亜嵐くんだよ！ほら、亜嵐くん！｣

何故かテンションが高いあぐり

『亜嵐…くん…』

撮影が始まり
セットへ立つ亜嵐くん一気に感情がこもり表情が切なくなる

何故か、私は亜嵐くんの表情から目が離せなくなった

シャッターが切られる音につれて少しずつ変化する表情

私は釘つけになってしまい見入ってしまっていた

それと同時に記憶が蘇る…

カ｢おっ、流石亜嵐くん！いいねぇ！
その表情いいよ！そう、あと少し俯いて…
うん！完璧！最高だった！｣

亜｢ありがとうございます｣

亜嵐くんの声で我に返り

あ｢A大丈…ってなんで泣いてんの？｣

『私、泣いてるの？』

あ｢亜嵐くんに見とれちゃったかな？｣

『…それ…もあるけど…』

あ｢もしかして？｣

『思いだしまし…した』

あ｢忘れてた記憶？｣

『はい！』

あ｢それは、良かった！
Aおめでとう！｣

『おめでとうなのか分からないけど…ありがとう！』

あ｢だって、思い出せないかもしれなかったんだよ？ほんとに思い出せて良かったじゃん！
安心した｣

ギュッ

あぐりから優しく抱きしめられた

『あぐり、ありがとう！』

抱きしめられている時ちょっと鼻を啜る音が聞こえてきて…自分の事の様に喜んでくれて泣いてくれるあぐりを心から大切に思う

って、私たちの世界に浸ってはおれぬのじゃ
撮影を見なくては…

『あぐり、撮影見てからにしよっか』

あ｢そうだね！｣

2人で笑い合いながらいる時間が幸せだな