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40話 ページ40

『嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だァァァ!!』
実「!?」

急にヒナタが叫び、頭を抱えて蹲った。ヒナタが血鬼術に掛かった事を察した実弥が、すぐさまその周りを探すと、木の上に人影が見えた

実(アレか!!)

実弥がその影を目掛けて走り、日輪刀を振るうも、意図も簡単に躱されてしまった

鬼「おっと、危ないなぁ。やっぱり罠だったか」
実「おい、ヒナタ!構えろ!!」
鬼「声を無駄だよ。その娘は自力で俺の血鬼術を解けない。何故だか知りたい?」

ケタケタと不気味に笑う鬼。すると、聞いてもいないのに鼻高々と自身の血鬼術について話し始めた

鬼「俺の血鬼術は特別なんだ。幼い頃の幻覚を見せることで精神が幼くなる。幼くなれば抵抗する力も小さくなる。だから自力では解けないんだ!」
実「なら、なんでお前から逃げれた人間が居るんだァ?鬼殺隊士なら兎も角、ただの村人だろ」
鬼「嗚呼、アレはわざとだよ。お前ら鬼狩りを誘き寄せる罠」

わざと逃がすことで鬼殺隊が情報を掴み、鬼殺隊士を送る。その鬼殺隊士に血鬼術を掛け、喰らうということがその鬼の計画だった
強く優秀な人間は、鬼にとって栄養価が高いためだ

実「なるほどなァ。しかし、テメェの計画通りにゃ行かねぇよ」
鬼「なに?」
実「御館様はなァ、それを見越して柱である俺をここに送った!」
鬼「なっ、柱!?」
実「風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風」
鬼「ぐあっ!!」

鬼は咄嗟に実弥の攻撃を避けたものの、右腕を斬られた。更に左脚、腹、肩と、実弥は少しずつ鬼を苦しめながら攻撃を加える
しかし、実弥は油断していた。この分なら、もう少し痛めつけて殺しても大丈夫だと

鬼(こうなったら!!)(バッ
実「!?しまっ…!!」

鬼は実弥の隙をつき、頭を抱えて蹲っているヒナタを捕え、首元に爪を立てた

鬼「こっちに来るな!!来たら、此奴が死ぬぞ!!」
実「テメェ…!!」

ヒナタはまだ幻覚を見ているのか、目が虚ろの状態。ヒナタに意識がない以上、実弥は下手に動けなかった

鬼「きひひひひ、流石の柱でも仲間を見捨てることは出来ないか!ざまぁないなぁ!!」
実「くっ…!!」

どうにか救う術はないか。頭を回転させていたその時

『…輝輝…恩光』
実「…!!」
鬼「な…に…?」

鬼も、実弥も何が起きたのか分からなかった
ヒナタがいつの間に日輪刀を抜き、呼吸で鬼の頚を斬った。今まで見た事のない呼吸で

鬼「俺の血鬼術は…自力では…」
『…残念だったね。私、ちょっと特殊なんだ』

ヒナタは鬼が散ったのを見送った後、プツリと糸が切れたように倒れた

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作者名:ホタル | 作成日時:2020年1月31日 0時

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