【イナGO】炎と涙、復讐～歌姫の逆襲～(2)【Story remake version】 (ページ17)

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【STORY.37†[EPISODE.SIX＊Memory loss]】ページ17

「…琴音…？」

「…」

目が覚めると、真っ白な天井が目に入った。その次に…「誰か」がいた。

「…だ、れ…？」

「…えっ」

目を覚ました途端に突き付けられた現実。
記憶がない、どこかで感じていた「普通じゃない自分」。

「…なんで琴音が…」「私達のこと…忘れちゃったの…？」「二人とも…落ち着いて」「…夜月と、琴音のお兄さんが…ワタシ達より悲しいのに、泣いてない…」「あっ…」「…」「…ごめん、なさい…」「…僕のことは、気にしないで。…元々、僕のせい…だから…」「美琴さんは悪くないです！…俺が、…あそこに…行かなきゃ…良かった、んだ……」「夜月君…」「…。…俺達は、お日さま園に引き取られることになったの…知ってますよね」「…うん。そうだけど…」「…俺は、今後できるだけ、琴音とは関わらないようにしようかと…」「そんな…」「だって…記憶喪失になるぐらい辛い思いをさせたのなら…いっそ、思い出さない方が…」

病院という静かな場所でも、沢山の人の会話や機械音が重なって騒音に聞こえる。その中で、一つの会話だけは…はっきりと聞こえていた。

「…僕は、歌宮美琴。お前の…琴音の、お兄ちゃんだ」

「…おにい、ちゃん…」

「…僕達は、歌宮響(うたみやヒビキ)っていうお父さんと、歌宮奏(うたみやカナデ)っていうお母さんの子供。…えっと、歌宮財閥の後継ぎ…かな」

「…」

「…琴音。…これ…」

「…それ、何？」

「琴音の髪飾り。…琴音が、大切にしてくれた物…」

「…わたし、が…」

「…琴音は、色んなことを一度に忘れちゃったけど…少しずつ、覚えていけば…いい…よ……」

「…」