【STORY.35†[EPISODE.FOUR＊星の使徒達]】 ページ15
ある日。大人達にまた呼び出されたかと思ったらいつもとは違う場所に連れて行かれた。
そこにいたのは…あの時侵入してきた人達、その足元には。
「……サッカーボール…」
「お前らにサッカーを教えろって」
赤髪で活発そうな人がそう教えてくれた。
「…サッカーって何？」
「…ふわ〜ぁ…」
「えっと…手を使ったらいけないんだっけ」
「だった気がする」
後ろで碧空姉妹が興味無さそうに、誠人と紅蓮は曖昧そうに。私と夜月は…。
「…お兄ちゃんの、見てたから…」
「…俺も、少しだけなら」
「君達二人は一応分かるみたいだね。…あっ、お互いの名前を名乗っておこうかな」
「…わたしは、琴音…」
「…俺は星空夜月」
「…ワタシは碧空風音」
「…私、碧空林檎」
「…火宮紅蓮」
「…俺は、岩城誠人」
「俺は緑川リュウジ」
「砂木沼治だ」
「俺は南雲晴矢だ」
「私は涼野風介という」
「俺は、基山ヒロト。よろしくね皆」
その日から、時々ヒロトお兄ちゃん達と一緒にサッカーをしてもらうことになった。
風音は風介お兄ちゃん、林檎はリュウジお兄ちゃん、紅蓮は晴矢お兄ちゃん、誠人は治お兄ちゃん、私と夜月はヒロトお兄ちゃんに。それぞれ教えてもらって、皆少しずつ上達していった。
だけど…。
「…あっ。リュウジお兄ちゃんだ！」
「…」
「…？」
ある日、悲しそうなのに無理矢理笑顔を作っている表情でリュウジお兄ちゃんが。
「…ごめんね。…暫く、皆と…サッカーが出来ないんだ…」
「…えっ？」
涙を溢れさせながら、突然の別れを告げた。
「…すまないな、お前達」
それから、次々と…。
「…悪いな、お前ら…」
「…お前達との、サッカーは…」
次々と、突然の別れを告げて去って行った。
「…ヒロトお兄ちゃんも、…私たちの前から…いなくなるの…？」
「俺達の親みたいに…勝手に、置いていくのか…？」
「…それは…」
どんなに中身が成長していても、本来私達は四歳から七歳の子供。
この感情を、どこにどうしていいのか分からなかった。
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作者名：睦月火蓮 | 作成日時：2015年4月19日 23時
