【STORY.07†体調不良】 ページ10
A「…はい。…すみません。……はぁ…」
朝、目が覚めると体調が悪かった。
いくら体が弱いといっても…まさか、高熱を出すなんて…。
一応連絡を入れ…。…いいや、林檎にだけいれておこう。
布団から出られないぐらい寒気がする。それに…なんだか頭が痛い。
A「…」
あ…授業のノート、誰に見せてもらおう。それもまた紅蓮や林檎っていうのも…なんだか。
クラスが違うし、それに…迷惑をかけるのもなんだか…。
A「…」
…いいや、考えるのはやめよう。今は体調を戻すことにだけ専念しよう。
──ピンポーン。
A「…ん…？」
インターホンが鳴る音がして、目が覚めた。
適当に上着を羽織って、玄関に行ってみると…林檎、紅蓮、風音、誠人、夜月。私服姿の五人がいた。
A「…皆…」
林檎「A…大丈夫？」
紅蓮「…結構顔色悪いな」
風音「…ちゃんと、食べた？」
誠人「その様子だと、寝てたみたいだね」
夜月「…」
心配そうな顔をしてて、どうやら様子を見に来たらしい。
玄関で立ち話っていうのもなんだかなと思って、中に入ってもらった。
林檎「…もしかしてだけど、今日一日寝てたんじゃ…」
A「うん…気付いたら、眠ってたみたい」
夜月「寝過ぎるのも良くないぞ。それに少量でもちゃんと食事をして必要な栄養をとらないと、治るものも治らないだろ」
A「…」
あまり喋らないタイプの夜月が急に、それも一度に沢山のことを話した。
夜月「…あっ。…その、なんか…偉そうに言ってごめん」
A「…ううん。夜月の言う通りだよ」
夜月「…」
林檎「お粥か何か作ろっか？」
風音「台所、借りていい？」
A「うん。…ありがとう」
誠人「何か手伝えることある？」
林檎「んー…。あっ、夜月は残っててねー」
夜月「えっ。…あ、ちょ、お前らー？…」
A「…仲良いんだね」
夜月「ん？…あ、ああ。たまに喧嘩とかすることがあるけど、その後仲が悪くなるようなことはないな」
A「そっか…。…そういうの、『友達』っていうんだよね。…羨ましいな」
夜月「俺達にとって、お前も大切な友達だ」
A「…」
夜月「…困ったことがあるなら、俺達を頼ってくれ。A」
A「…ありがとう、夜月」
それから数時間ぐらいして皆は帰って行った。
少し寂しく感じたけど、なんだか何かが少し楽になった気がする。
皆とのさっきの時間を思い出しながら、就寝した。
【STORY.08†頭痛】→←【EPISODE.ZERO＊今までのこと】
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作者名：睦月火蓮 | 作成日時：2015年4月14日 21時
