【イナGO】炎と涙、復讐～歌姫の逆襲～【Story remake version】 (ページ12)

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【STORY.09†豹変】ページ12

「あ～ら。此処にいたのですのねAちゃん」

二人が答えようとした瞬間に、答えを遮るかのようにある声が聞こえてきた。
振り返る必要もないけど、一応振り返る。
案の定、そこにいたのは…僕の嫌いな人。

伍海「昨日、私は心配で心配で…たまりませんでしたのよ？それなのに、こうしてなかなか話す機会が無くて残念でしたの」

A「…」

まともに返す気力すらない。だけどここは我慢して、適当に言葉を返して…。

「オイ。…上辺だけの出任せ言ってんじゃねえよ」

A「…？」

伍海「…あら？」

耳に入ってきた言葉に、思わず耳を疑った。それから、自分の目も疑った。
だって…。

林檎「一応テメーの話は聞いたことあるけどよ…本当に【自主規制】みてーな女だな」

ついさっきまで人懐っこくて無邪気な笑顔が特徴の筈の林檎が…全くの別人みたいに、目つきが鋭くて全くの無表情で口が悪かった。

紅蓮「お、おい…抑えろって…」

林檎「何でもかんでも思い通りになるような裕福な家に生まれてよかったなぁ…？幸せか？ああ？そうだろうよ？その代わり根性最悪に歪んでひん曲った漫画の悪役みたいな性格になったみたいだけどな？」

伍海「な、なっ…！」

林檎「結局テメーみたいな性格で更に世間知らずのお嬢ってのは親の権力翳さねーと誰も振り向かないし、見るとしても結局財産目当ての連中だらけだろ？」

紅蓮「…もうそんぐらいにしておけ！…Aが引いてるだろ」

林檎「！…チッ。うーん、仕方ない。このぐらいで我慢しておきまーす♪」

突然コロッと態度が変わった。

林檎「じゃ、行こっか」

A「…う、うん」

唖然とする彼女を置いて、林檎に手を引かれながらその場を去った。
手を握られた時に気付いた。林檎の手が、震えていたことに。