安心してください、脱ぎませんから

38話-月宗side- ページ45

長「俺が!?」

私がそういうと、驚いた顔をする長谷部。まあ、そんなことを急に言われれば、誰でも驚くだろうな

「先程、政府も対応してくれていると言ったが、その方法が上手く行くとは限らない。もし、政府側が失敗した場合、こちら側で村正を連れ戻す必要がある
そのためにはこの本丸の中で1番、絆の糸が太い者と契りを交わす必要があるんだ」
長「!!」

長谷部と村正の間には、運命の糸である赤い糸で結ばれている。それも、切っても切れなさそうなもの
これ程のものは、互いが互いを想いあっていなければ結ばれることは無い

「三日月、私も少々無理をするかもしれない。その時は頼む」
三「心得ている。そのために着いてきたのだからな」
「頼もしいな」

そして、私は村正の手を握り、邪気の分析をする為、意識を集中させる。村正を連れ去ろうとしている、邪神を探すためと、何者かを知る為だ

(これは…水か?溜まっているのではなく、流れている…)

邪気を見ていくと、黒く濁った水のようなものが見えた。池や沼のように溜まっているのではなく、流れている。とすると、村正を連れ去ろうとしているのは川の神だった(・・・)ものと思われる

(可笑しいな…。もし、川の神だったものであれば、川に行った瞬間に連れ去ろうとするはず。なのに何故、本丸から…?)

不思議に思い、詳しく知るために更に意識を集中させる。すると、水のようなものとは別に、ドロドロとした少量の邪気を見つけた

「(これは…神の類のものでは無いな…。人間…いや、違う。妖の邪気…!!)三日月!『黒鶴』に連絡してくれ!明石が危ない!」
三「分かった!」

どうか間に合え!!

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