芥川くんにはお姉さんが居ます！【文スト】2

惨拾陸 ページ12

太宰「にしても、此処では私の名前を呼んでくれるのだね？」




貴『まぁ...一応はプライベートだから』




太宰「ふふ、嬉しいよ」









私も嬉しい、治と会えて良かった。



そう心の中で呟いた。



プライベートなら組織もあんまり関係無いだろうからね。



そして私はまた、一口林檎ジュースを口にした。










太宰「...A、先刻も云ったけれど

光の世界においで。君の異能力は闇には似合わない」




貴『厭よ。異能力がどうこう以前に、私はあの子達を置いていけない...』




太宰「そう、だよね」




貴『ごめんね、治』









私は治の頭を撫でた。



治は少し驚いた表情をしていたけど



徐々に目を細めて気持ち良さそうにした。









貴『ふふ、猫みたいよ？治』




太宰「君の撫で方が気持ちいいんだ...仕方無いだろう？」




貴『流石は二人の弟妹を持っている姉ね』




太宰「それ、普通自分で云うかい？」




貴『ふふ、それじゃあ私は行くよ。話せて楽しかった』




太宰「私も行くよ。

私も、君と話せて良かった」









実に楽しい一時だった...




まるで、昔に戻ったみたいに...




闇に染まる私を...どうか許して欲しいの。




闇から光の道を見付けた貴方なら判ってくれるでしょ？




この闇から、私は出てこれないと。









貴『また"此処"で会いましょう？』




太宰「嗚呼、勿論さ」









私たちはその後別れた。




太宰は探偵社へ。私はポートマフィアに戻った。













ポートマフィアに帰ってすぐ、広津さんからの報告があった。




無事に殲滅した、と。




武器を横流ししていた奴等の拠点は無事に潰されたということだ。




然し、また直ぐに違う別の拠点が造られて横流しされる...




まるで、無限ループみたい









貴『却説、作戦の続きでも練りましょうか』









私はバーでの事を思い出す。




次は探偵社を襲う。




指揮するのは一葉。




遣うのは黒蜥蜴と少数の黒服たち。




彼等が失敗するなんてあり得ない。




けど、治も居る探偵社だ...




若しかしたら...ね。




あ、良いことを思い付いた...！




ふふ、一寸だけ中也に悪戯仕掛けちゃおう！




ほんの少しだけ遊んだって...首領は許してくれる筈だし！









貴『ふふ、これから楽しくなってきそうね♪』

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