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story168 ページ4

吸われる、というよりもみんなが私につけた噛み跡を自分の牙でかき消していってる。

痛い...痛い...痛い...

涙がぽろぽろと流れる割に泣くような声は出なくて、ただただ瞳から涙がこぼれ落ちる。





カナト「はぁ...あぁ、僕の牙でできたあとから血がたれてますね、舐めてあげます」





カナトはAの体を起こしては抱き寄せた。そして綺麗に血を舐めとると、再びAにキスをした。

Aの血の味が口の中で混じりあう。





カナト「ん...ふふ、君のその顔、とても好きです

僕があげた痛みに流す涙...あははっ、かわいいですね」


A「っ...ほんとに痛いんだよ?」


カナト「!...A、怒ってます?」


A「少しだけ怒ってる」





ショックを受けたような顔をするカナト。

そして、彼がとる行動はひとつしかない。





カナト「ぅ...ご、めん...なさい...ひっく」


A「ぁ...」


カナト「っ、僕が、悪かったです...ぐすっ」


A「そ、そんなこと...」


カナト「でもっ、Aも...ひっく...悪い、です」


A「どうして?」


カナト「ぅ...だって、僕以外に、吸われて...ぐすっ

僕の、Aなのにっ...」






カナトの理由は幼稚で、嫉妬にも近いものだった。

Aはそんなことよりも先にカナトを泣き止ませよう。と考えていた。

Aはカナトを抱きしめた。







A「カナト...ごめんね」


カナト「!...そんなんじゃ、僕の怒りは、おさまりませんっ...!」


A「うん...うん、知ってるよ。でも、少しは落ち着くでしょう?」


カナト「っ...」


A「...Are you going to Scarborough Fair──────────」


カナト「!...A...」






カナトが落ち着くまで、背中をトントンと規則正しく優しく叩く。

凛として透き通るような声は誰の心にも刺さるような美しい音色を奏でた。





A「──────────She once was a true love of mine」



カナト「...Aの歌...とても好きです」



A「ありがとう」



カナト「なんだか、今日はこれ以上やる気がでません...

特別に解放してあげます」








抱きしめられていたのにも関わらず、カナトはスッと離れた。

何が起こったのかをイマイチ理解できずにAは困っていた。







カナト「また遊ぼうね、A」







その一言だけ残してカナトはどこかへ消えていった。

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はる猫Blood(プロフ) - あん-an-さん» コメントありがとうございます!これからも、ぼちぼち更新していくのでよろしくお願いします(*^^*) (5月18日 15時) (レス) id: 9d1498330f (このIDを非表示/違反報告)
あん-an-(プロフ) - 面白くてseason1から一気に見てしまいました!!更新楽しみにしてます!! (2023年5月6日 7時) (レス) id: 60d24f0aca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/  
作成日時:2023年3月25日 4時

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