有能の書記長は無能になりました【有無組】 (ページ6)

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tnside

gr「トン氏、お前をゾムと一緒にスパイとして、敵国に送りたい。」

俺はある日、グル氏に呼び出されそう言われた。

スパイ……”有能だった頃”はよく行ってた。

今俺は”無能”だ。スパイなんて行く必要はない。

tn「すまんグルッペン。俺は行けない。大先生にでも頼んだ」
gr「俺は前のトン氏が好きだったゾ？」

tn「………は？」

gr「時には喧嘩もするが、それでもお前といる時間が1番楽しかった。」

tn「なんだよ急に」

本当は嬉しい。
グルさんはあまりこういう事は言わない。

最終手段
と言ったところか。

gr「お前が書記長に就任してから、我々国の経済力は急激に上がって行った。」

tn「…………でも今は大先生が居るやないか。」

gr「大先生は書記長ではない、管理者だ。」

書記長も管理者も変わらないだろ
と言いたかった。

でもグルさんは言葉を続けた。

gr「お前が戻ってきてくれないと我々国はどうなるか……」

tn「グルッペン！」

gr「む、なんだ」

tn「……俺は有能って言われるのが辛かったんや」

gr「…………ほう。」

tn「俺は無能でいいんや。スパイなんか行かへん。
行けへん。」

gr「……………」

tn「やからお願いや…」

gr「…………わかった。スパイは俺が担当しよう。俺は、お前が戻ってくるまで待ってるゾ」

tn「っ……」

ありがとうな。
そう言いたかった。