アメジストを守る黒曜石 Ⅱ (ページ14)

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第58話ひつうページ14

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「ギルダ来い！！」

「あっえっ！？下見中止！？エマ達を止めるの！？」

「下見“強行”だ！！ “ママ”を止めるぞ！！」

「ママッ！？？」

ハウスを飛び出し森へ一直線に走った。

向かうは当然柵の向こう。

────早くしねぇと！！！

ママはこれから“も”1人で制御する。

つまりママはまだ満期出荷を諦めていない。

だから“即出荷”はない！！

────でも

『事情』が変わったって言っていた。

とにかく、もう“制御可能な状態を装う”前提は通用しない。

下見をやめても意味がない……いや、この先待つのは直接支配！

今を逃せば“もう二度と”下見のチャンスはない！！

────ママに阻まれる前に何がなんでも下見させなければ……！！

エマ、ノーマン気づけ。

ママに構わず下見を続行しろ！！

必死で心の中で訴えた。

けど、俺の叫びは悔しくもアイツらには届かない。

早く伝えたい、そんな気持ちで縺れる足を動かした。

その時だ。悲痛の声が森の中に響き渡った。

「っあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞッ！！！！！！」

刹那、頭の中が空っぽになった。

何も考えられなくなって、血の気がなくなった。

「なんだよ今の叫び声……」

「まさか……エマに何かあったんじゃ……！？」

ギルダのその言葉で、俺の足はまた動き始める。

どうか無事でいてくれ。

頼むから。

目から零れそうになる何かを必死で堪えてひたすら走った。

「おめでとうノーマン。あなたの“出荷”が決まったわ」

だが、俺の願いは呆気なく散った。