Story44 余計なお世話(稚side) ページ44
ふぅ、と息をついてケータイをしまった。
ｼｭ「緇鳥と電話していたのか?」
稚「あぁ、まぁね」
練習の途中らしき彼が、手をとめてこちらを振り向いた。
稚「フリー=デラホーヤがまさかBCソルを抜けてここのチームに来るなんて、ねぇ。あたしも女子エースとして鼻が高いってモンよ」
BCソル。その言葉を聞くと、シュウは俯いてしまった。
そっか。BCソルに友達がいるんだっけ。
稚「それにしても、Aも悩んでいたんだね。ま、素直に相談するところがAらしいけど」
わざとAの話題を出す。これまた彼はぴくりと反応。
……お? お、お?
稚「あれれー、どうしたのかな、紅クン」
ｼｭ「……」
意地悪に言ってみたらなんと効果あり。いや、効果てきめんといったところだろう。シュウは顔を名前の通り紅くしてしまった。
稚「いやー、あたしの周りには恋する男女がいっぱいだなぁ」
ｼｭ「……ッ!? それはどういう意味で……?」
稚「だってシュウはAこと好きでしょ、Aも好きな人いるでしょ? あとはメイちゃんとかアマとか……」
そういうと、シュウは案の定食いついてきた。
ｼｭ「緇鳥に……?」
稚「うん。
……聞きたい?」
シュウは少し迷った後、首を横に振った。
いやここは普通、縦に振るところでしょ。
ｼｭ「オレは彼奴の口から直接聞きたいです」
稚「ふふ、そうだよね。じゃ、頑張って。
あ、あと」
あたしはくるりと振り返り、くすりと笑って言った。
稚「Aもオーナーと瑛斗さんに勧誘されたらしいよ。来るかはどうかわからないけど」
ｼｭ「……!」
この発言が彼らにどんな反応をもたらすか楽しみだ。
そういえばシュウとAがくっつけばいじり倒せそうだ。二人共純粋で可愛いし。
エルシック今会える? 一緒にどこか行こう?
稚「さて、今日も会いに行きますか」
ｼｭ「いい加減やめた方がいいと思いますよ、男遊び」
稚「はは、警告ありがとう」
稚わかった、今行くよ
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