Story16 疑問と男 ページ16
その次のバトルは、バルトは1ポイントをとったものの、シスコに負けてしまった。
次はワキヤがくる。
キャプテンであるフリーは、誰を指名したかというと――。
フ「キミ」
乱「え、オレ?」
クミチョーだった。
▽
結果、BCソルはその手中に勝利をおさめた。
その翌日から練習は激しくなり、ダッシュはなんと100本。
全「3,2,1,GOシュート!」
練習が終わると飯。僕は少量で済ませ、ガッツギガを飲んだ。
貴「……クリス、今空いていますか? ちょっとききたいことがありまして」
廊下で偶然クリスとすれ違う。
彼女はええ、と頷き、オーナー室に僕をいれた。
ク「それで、ききたいことって?」
貴「単刀直入です。
レアルサンバットとの親善試合、
貴女と一緒に試合を観戦していた男性はどこのどなたで、
なぜここにいらっしゃったのか。また、貴女とはどういう関係なのか」
ク「よく観察してるのね」
クリスは感心したように言うと、ひとつ溜め息をついた。
ク「でも貴女には関係ないことよ。さ、はやく練習に――」
貴「僕はBCソルのブレーダー。関係ないはずがないです」
クリスの言葉を遮ってみた。
貴「これは推測なのですが、
ボディーガードのような男性がついていたことから、チームのオーナー。
ブレーダーの移籍を頼みにでもいらっしゃったのでしょうか。対象はたぶんフリー。
そしてあの人と話している時、貴女は焦り、動揺していた。つまり――」
ク「もう、いいわ」
今度はこっちの言葉が遮られた。
目を僕から逸らしている。正解?
貴「正解、でしょうか」
ク「……あの人はアレキサンダー・ギルテン。ニューヨークブルズのオーナーよ。
あとは貴女の言った通りだわ」
ニューヨークブルズ……。紅がいったチームか。
貴「失礼しました」
軽く一礼して、出ていく。
もう、夕暮れ時か。
▽
僕はジャージに着替え、ランランランニングに出掛けた。
バ「ジャンゴ!」
バルトの声がきこえた。
とりあえずその方向へ、走る。
貴「どうした……って、ジャンゴ?」
ジャンゴはスーツケースをひき、去っていく場面だった。
ハ「ジャンゴ、辞めちゃうんだって」
バ「やだよ、オレ……」
僕は落ち込むバルトを見、溜め息をついた。
貴「下のやつらとやるのは、彼が持っているブレーダーとしての誇りが許さない。それだけのこと」
全「……!」
全員の瞳が、揺れた。
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