9* ページ10
「……ごちそうさま」
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かちゃん。とフォークを皿に置いたらその音が響いた。
大皿に残ったチョコケーキ一切れ。
さすがに一気に全部は無理だ。甘すぎる。
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「……お粗末様でしたー」
「ねえ、」
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残ったケーキを冷蔵庫に戻そうとしているところを呼び止めた。
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「それ、さ」
「これ？」
「うん」
ひょいっと持ち上げたあと、冷蔵庫に押し込んだ。
そしていそいそ俺の隣に戻ってくる。
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「あれがどうしたの？」
「いや……夕飯のあとで食べるよ」
「なんだ、そんなこと？ 当たり前でしょ、早く食べてくれなきゃ困るもん！」
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食べさせてくれるんでしょ？ と言いかけたけどやめた。
今から断られたら、もうなんかショックだから。
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いや、きっと断らないんだろうけど。
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のんびり過ごした1日だった。
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運よく誘いのメールも電話もナシ。
冷房の利いた部屋で1日過ごしていた。
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だから、というわけかは知らないけど、ぴったりくっついてきたA。
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「潤」
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不意に呼ばれて振り向いたら、唐突に、唇に落とされた唇。
一瞬の、出来事。
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「……好きだよ」
「……うん。知ってる」
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なんか違くね？ と言い返す前に俺から唇を寄せる。
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……右手のリボンの意味を知ったのは、もう少しあとの話だ。
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゜・*:.。. Fin. .。.:*・゜
○*いつまでも聴かせてその歌を*○ 【*S.O＊BD*】→←8*
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作者名：義経櫻 | 作成日時：2015年6月13日 23時
