僕と君の世界 (ページ9)

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「俺とキスしてんのに何考えてんの」

「……何も」

「嘘つけ。そんな中途半端にして俺を泣かせられると思ってんの？」

……ああ、君には敵わない。

「まさか」

「他のこと考えてたら、俺が翔ちゃんのこと食うよ？」

「……はは、それこそ泣かされそう」

「分かってんじゃん」

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子供がじゃれてするみたいな、可愛いキス。

所詮それは挨拶でしかなくて、また少しずつ深くなっていく。

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何度も唇を食み合って、

君が俺の下唇をゆっくり吸って離れる。

こつん、と目を閉じたまま額を重ねたかと思うと、――すとんと静かに俺の膝に寝転んだ。

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「智くん？」

「ん。何」

「え、いや何でも……」

「もしかしてもうスイッチ入ってるとか(笑)」

「っ……別にそういうわけじゃないけど」

「えー？残念、俺はもう入ってんだけどな」

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細まった瞳に射抜かれてどっと血が騒ぐ。

君に煽られたことなんてごまんとあるけど、それを上手くかわす術を俺は未だに知らない。

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「ほんとに、入ってんの？」

「どうして疑うの？」

「だってあなた、今から寝る気じゃないの？」

「寝る？翔ちゃんと？」

「智くん！そういうこと言ってないから！」

「わーってるよ。ほんと可愛いな、翔ちゃんは」

「嬉しくないよ」

「喜んでよ、褒めてんだから」

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