僕と君の世界 (ページ7)

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「翔ちゃん、今日俺んち来ない？」

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いつもは何も考えず寝てしまう世界史と古典の授業だけど、

いやに目が覚めてしまってぼんやりしていた。

話を聞いていないことには変わりないけど、なんだかすごく居心地は悪かった。

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放課後、掃除を終えて一旦教室に戻ってきた俺。

誰もいなくてしんとした教室にクリアな声が響く。

閉まった窓の向こうで走り込みの声は聞こえるけど、

不思議なくらい俺たち2人の間は静寂に包まれていた。

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「どしたの、急に」

「急でもなくね？来るかはともかく、一緒帰ろーよ」

「……うん」

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靴を履き替えて、まだ暗くない道を歩き出す。

お互い、喋り出すこともなければ視線を向けることもない。

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3駅で電車を降りる。

特に何か意思表示をしたわけではないけど、向かう先は君の家だ。

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「突然お邪魔しちゃ迷惑じゃない？」

「へーき。父ちゃん出張行ってて母ちゃんは同窓会だから」

「……そう」

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駅近のマンションの一室に、緊張しながら滑り込む。

高校生が友達を家にあげるなんてそう珍しいことじゃないはずなのに、

周りばかり気にしてしまう。

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「お邪魔します」

「ん」

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不自然なほどに音もしない。薄暗い玄関を抜けて、君の部屋に通された。

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「冷蔵庫の中、茶くらいしかねえや」

「いーよ、お構いなく」

「何、翔ちゃん、緊張してんの？(笑)」

「うるさいな、仕方ないでしょ」

「この間も緊張してたらできねえことしたじゃん、ここで」

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ぼふっと君がベッドに飛び乗る。

そのまま仰向けになって俺を見る。

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「床なんか座ってないでこっち来れば？」

「……うん」

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