僕と君の世界 (ページ18)

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「お前、キスだけは達者だよな(笑)」

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唇が触れ合う距離で、茶化すように笑う。

戯れに唇を押し付けながら、俺も負けじと囁く。

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「キスだけって……、そっちの方はダメってこと？」

「ま、下手ではないんじゃねーの」

「いつも泣いてよがるくせに？」

「るせーな。演技だったらどうする？」

「……」

「……冗談だよ、んな顔すんなって。

なんで俺がわざわざお前に嘘つくなんて面倒なことしなくちゃいけねーんだよ」

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俺が落ち込んだと思って甘やかそうとする。

いつもは冷たいくせに、時々こうして

俺の様子を窺って言葉を重ねるあなたは、ただ可愛い。

「翔さん、……好きだよ」

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俺の本気の言葉を、あなたはバカにしたように一笑する。

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なおも止まない口づけをどうすべきか、

考えたところで答えが出るはずもないのに思い悩む。

唇が痺れそうになった時、あなたが唐突に俺の下唇を甘噛みした。

「バーカ」

濡れた唇を、更に舌なめずりして艶やかにする。

「優等生」のあなたの皮を剥がせばこんな表情が奥深くに眠っているだなんて、

世界中で俺以外、誰も知らない。

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