僕と君の世界 (ページ15)

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「キャラ、違いすぎない？」

「真面目な俺が好きなら、戻ってやってもいいけど」

「いや、……いいや」

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子供じみたことを言うとするなら、なんだか秘密の共有みたいでちょっと楽しく思った。

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翌週の席替えで、偶然にも前後の席になった。

そのことにどきりとしたのは俺だけだったらしくて、

あなたは相も変わらず優等生ぶって、あまり誰かと積極的に関わろうとはしていなかったけど。

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昼休み、いつものように気配もなく教室を抜け出すあなたの後ろをつけると、

……勘が鋭いのかあっという間に尾行がばれた。

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「何？俺のこと好きなの？」

「そういうわけじゃないけど」

「直球すぎるわ(笑)」

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そのままついていくと、

食堂の奥の隅っこの席で優雅に弁当を広げ始めた。

俺もそれに倣って向かいに座って弁当を開ける。

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「何平然と俺の前に座ってんの」

「……相席させてください」

「お前、真面目だな(笑)」

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この人は、こんな顔をして笑うのかと思った。

いつも穏やかな顔をして愛想は振りまいているけど、

あの日以来何となくそれが嘘くさくて、ようやくそれが貼り付けたものだったと理解した。

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「いつもここで食ってんの？」

「ん？まあ、日によって外で食ったり屋上で食ったり」

「屋上って」

「校舎オンボロだからピンひとつで開くんだよ」

「……」

「お前もやってみれば？」

「やらないよ」

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立ち入り禁止の屋上にむざむざ乗り込むような度胸は俺にはない。

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「ひとり？」

「悪い？」

「いや、いいと思う」

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変な意味じゃなく、あなたにはひとりが似合うと思った。

同じ高校生のはずなのにどこか纏う空気が違うあなたは、

あのガキくさい教室にいるよりずっと、

立ち入り禁止の屋上でひとり飯を食っている方が似合うと、思った。

「お前変なやつ」

「人のこと、言えないでしょ」

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