ラナンキュラス5 (ページ13)

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『んーどれにしよっかなー』

「ほんと。迷っちゃうね」

唸りながらそれぞれアルバムを見てるんだけど
なかなかどれにしようか決まんないし
それより俺はAちゃんの写真のが見たいし
俺の写真Aちゃんに見せたいなーなんて…

『ねーAちゃん』

「んー？」

『写真選び合いっこしよーよー
　俺、Aちゃんの写真選びたい！！』

キュルキュルな目をして
Aちゃんをジッと見ると

「じゃ、光輝くんのからね？」

そう言ってAちゃんは自分のアルバムを閉じて
俺の膝に乗せられてたアルバムを手に取り机の上に広げると
すっごく嬉しそうな顔をしてページをめくり始める

「光輝くん全然かわんないね
　ふふっ。かわいい」

Aちゃんが指を指したのは
口をんぱってしてキメ顔した赤ちゃんの時の俺
俺の写真を見つめるAちゃんが
あまりにも甘い顔をするからちょっと嫉妬しちゃう
写真もいいけど目の前にいる俺のことも見て欲しい

『ねーAちゃん見て見て！んー』

「かわいい。」

『でしょ？俺、かわいいっしょ？』

光輝くんかわいいねって言いながら頭を撫でてくるAちゃん
もちろん俺はデレデレ。もーマジでAちゃん好き。

それからAちゃんは俺の赤ちゃんの時の写真がやけに気に入ったらしく
キメ顔の写真の他に茶色いサングラスしてねんねしてる俺も選んでたかんね。

アルバムも見終わりスマホで撮った写真を見ていると
急に動きが止まるAちゃん
どれどれ？と覗き込むとそこには大学2年の俺
今の黒髪とは打って変わってめっちゃ髪色が派手にした時のやつ

『…似合ってない？』

「…ちが…」

どしたどした？とAちゃんを覗き込むように見る
心なしか顔が赤いような…
これはもしかして…？

『金髪の俺かっこいい？好き？』

「黒髪もいいけど金髪も好き」

見て見たかったなと呟き残念そうな顔
流石に社会人になっちゃったしね

『で、どうする？』

「これはダメ。出さない。」

光輝くんのこと好きになったら困ると
少しだけ見せてくれたAちゃんの独占欲
かわいいすぎ。

そんな姿にニヤついてた俺だけど
Aちゃんのターンになればどれもこれも可愛いくて
誰にも見せたくない。って

けど、たまに出てくる松村さんの姿を見て

『これはダメ！』

「じゃあこれは？どう？」

『これもダーメ！』

昔のAちゃんを知ってるってだけで
大嫉妬をかましたのはいうまでもない。