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「ただいまー」
PM11時
平日のど真ん中
もうすぐ明日になろうとする時間に帰ってきたAちゃん
『おかえり！Aちゃんご飯食べた？』
いつものようにハグしようと近づくけど
そんな俺の横を素通りして
疲れ切った顔をしたAちゃんは
「食べたよー」と小さく呟くと
吸い込まれるように入っていったのは
1人になりたい時に向かう部屋
かなり心配だけど
俺一人っ子だからその気持ち分かる
基本はワイワイするの好きだし
常に誰かと一緒にいたいタイプだけどたまにそんな日あるしね。
Aちゃんが部屋に入って30分
もうすぐ日が変わるけどやっぱりAちゃんが心配で
寝ないでソファーに座っていると
空いていた隣が少しだけ沈み肩に乗せられた重み
『んー？Aちゃんどったのー？』
声をかけたけど返事は返ってこなくて
柔らかい頬をつまんでみたり
つっついてみたけどやっぱり反応はなく
俺にできることといえば…
あ、いい子いい子ってしちゃおっと
Aちゃんより体温が高い手を
ゆっくりと近づけ頭を撫でる始めると
自然に目を瞑るAちゃん
もしかしなくても安心してくれた感じ？
もーAちゃんが癒されるならいくらでもするし
肩だって毎日でも貸しちゃうかんね
そのまましばらく頭を撫で続けていると
相変わらず目は瞑ったままだけど
発された俺を呼ぶ小さな声
「…光輝くん」
『んー』
「さっきはそっけなくしてごめんね。」
『いいって！Aちゃん最近忙しくて疲れちゃったんでしょ？
そんな日もあるよ』
だから気にしないで？と言って
そのまま撫で撫でし続ければ
また少しして聞こえてきた声
「ギューしたい」
今日はまだしてなかったハグ
断る理由なんてなくて
もちろんいいよ！と撫でている手を止めて
おいでーと膝を叩いた後腕を広げると
予想外に俺の膝にまたがるように腰を下ろして
胸の中にすっぽりと収まるAちゃん
後ろからギュってしてほしいのかと思ったから
ちょっとだけ驚いたけど顔も見れるしこれもよき
「光輝くんの匂い、安心する」
グリグリして甘えきて
そんなの大歓迎すぎるし
Aちゃんが甘えてくれると
なんか胸の奥がギュッとすんの
ほんとたまんない。可愛すぎる
『ね、Aちゃん顔あげて？』
俺の言葉に胸から顔が離された瞬間
柔らかい唇を重ねる
『忘れてたっしょ？』
「んふふっ。忘れてた」
もーおかえりのちゅーは忘れちゃ。ダメだよ？
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作者名：Soda | 作成日時：2023年10月9日 21時
