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「じゃ、Aちゃんまた明日！」
「またね、青木くん。」
部屋の前で別れて
中に入るとフーッと息を吐く
出張に来て数日。
来年一緒に働くかもしれない学生の姿を見ていたら
光輝くんもついこの前まであっち側だったのになぁと
1年があっと言う間に過ぎてしまったことを実感する。
「今日も、来てないよね…」
仕事中は勿論だけどなるべく一人になるまでは
スマホを見ないようにしてて
見るとやっぱり何も起こってなくて
やっぱりかぁと肩を落とす。
明日はいよいよ東京へ帰る日で
もしかしたらこのままダメになっちゃうかもしれないけど
帰ったら光輝くんとちゃんと話がしたい
いつも光輝くんからアクションしてもらってるんだから今度は私から。
そう思って勇気を出して自分からメッセージを送ろうとした時
“わく：飼い犬の世話はちゃんとしろ”
湧からメッセージとソファーで丸まって寝てる
光輝くんの写真が送られて来て
湧にすぐさま電話をかける
「もしもし、湧？」
「なんだよ。反応はえーな。見たろ？写真。」
「…見た。」
「ほんっとバカだなお前。
黒ちゃんなんもしんねーんだから、
中途半端に話すくらいなら黙っとけっつーの」
俺から話聞いたら急に酒くれって言いだして
泣きながらA、Aってさ。
缶2本なのに潰れてあのざまよ。と湧は言葉を続ける
光輝くん2本じゃまず潰れないのに…
「ごめん、迷惑かけて」
「お？ちゃんと迷惑かけてるのはわかってんだ。
じゃ、連れて帰れるだろ？この犬。」
タクシーで来いよ？あぶねーからと
言ってくれたのはいいんだけど…
「申し訳ないけど、今日は連れて帰れないんだよね…」
は？なんで？！と大きな声を出す湧
光輝くん起きちゃうから…
「今、名古屋にいるんだよ。人事の手伝いで。」
「あー青木かぁ！そういうことね、お前から連絡なかったの」
「そう言うことです。」
どうすんのこれからと湧が心配そうに聞いて来たから
帰ったら光輝くんとちゃんと話すよ。と伝えると
あいつならめんどくせぇお前を受け止めてくれると
湧は言ってくれた。
この言葉そう言えば前も言われたっけ。
「ごめんね。湧。疲れてるのにありがとう。
光輝くんのことよろしくお願いします。」
「わーったよ。
ほんっとお前らには迷惑かけられてっから、
後で焼肉な。お前らの金でたらふく食ってやる！」
だから早く仲直りしろよ？と湧の声を聞いた後、電話を切った。
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作者名：Soda | 作成日時：2023年2月5日 15時
