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北斗side
それから数週間後
今日はAの合格発表の日
“結果は、分かったら連絡するね？“
って言われてたから誰も見てないのに正座なんかしちゃったり
ソワソワして飲もうとしたお茶を盛大に溢したり
もう俺、急過ぎって今思い出しても思う。
そして発表されただろう時間から10分過ぎた頃
いつもならその辺に放ってあるスマホを
今日は見える所に置いていたから
すぐに彼女からの着信に気づいてガッツクように通話ボタンを押す
「A！結果出た？」
「うん。出た。それにしても北斗くん急過ぎ。」
そう言ってAはケラケラと笑う
「いいから早く言えよ。
教え子の合否は気になるに決まってんだろ？」
「えー？もう北斗くん私の先生じゃないじゃん」
「あーそんなこと言っていいんだな？
あれだけ教えてやったのに」
「それが北斗くんの仕事でしょー？」
いつもの調子で話し始めたから
ああ多分大丈夫だったんだろうと思うけど
やっぱりAの口からちゃんと聞きたい
「で。どうだったの？そろそろ教えろ」
「そんなに知りたいの？笑
んーそうだね。うん。受かったよ第一志望」
「お、良かったじゃん。おめでと頑張ったな。」
めちゃくちゃサラッと言ってきたな。
まぁそれもAらしいけど。
「うん。ありがと！これで私も春から大学生！
でも北斗くんはいないけど…」
おいおいそんな寂しそうに言うなよ…
「ねぇ、北斗くん。」
「ん？どうした？」
「前に私が言ったこと覚えてる？」
「あーっと、お願い一つだけ聞いてって奴だよな？
もちろん覚えてるよ」
「そっか。北斗くん覚えてくれてたんだ。
でね…あのね、そのお願い今から聞いてもらえないかな？って…ダメかな？」
「ん、いいけど。
あーでも今から沖縄連れてけー！とかはダメだぞ？
あと、お金頂戴もダメな？そんな金ねーし」
すると違うよー！そんなんじゃないもん。とケラケラ笑ってたAだけど
急に静かになって小さく息を吸うような音が聞こえてきて
Aどうした？って聞こうとした時
「北斗くん。今から会いに行ってもいい？
私、北斗くんに会いたい。」
そう言われてどう返そうか迷った。
もし、もしここで会ってしまったらきっと俺…
そう思って何も言えないでいると
「好きなの。北斗くんのこと。
だから今すぐ会いたい。」
あーもう言うなよ。そんな泣きそうな声で
ダメだって言えないだろ？
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作者名：Soda | 作成日時：2023年2月5日 15時
