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『じゃ、Aさん40分後にここでね！』
「ん、またね！」
お互い手を振ってそれぞれ向かったのは大浴場
めっちゃ広いしお風呂が何種類かあって
お風呂だけでも従分楽しめそう！
俺お風呂大好きだしね？
でもでも、混浴じゃないから
Aさんと一緒に入れないのが残念っ。
体を洗ってから肩まで湯船に浸かると
長時間の運転で疲れた体が癒されていくのを感じながら
今日の出来事を思い出す。
幸せなお昼の後は、カフェの近くにある神社に行って
お参りとおみくじを引いて大吉とか吉出るんじゃね？なんて
ワクワクしながら見たらなんとも微妙な結果で
“お互い中吉だったねー”って笑いあったり
個性的なでっかいチューリップがある美術館に行ったら
とにかく色・色・色でカラフルな世界観に圧倒されたり
城の周りに公園があるからぐるっと回って
自然を楽しんだりしてから旅館に来たんだけど
チェックインの時に住所と名前書いてって言うから
俺が先に名前書いてる時に“新婚ですか？“なんて
ニコニコしながら旅館の人が聞いてきて
嬉しくなっちゃって“そうです！“って言っちゃったよね。
そしたらAさん苗字書かないで名前だけ書いたの！
もしかして俺との今後のこと考えてくれたりしてるのかな？
って思ったらもうテンション上がっちゃった。
約束の時間の少し前に大浴場から出て
待ち合わせ場所でAさんが出てくるのを待つ
「光輝くんお待たせ！」
『(やっばっ…)』
現れたのは髪をアップにして俺と色違いの浴衣を着ているAさん
お風呂入った後だから顔もちょっと火照ってるし、なんか色気すごくない？
それに俺に近づいて来るAさんのことを
周りにいる男の人たちも見ている気がする。
「光輝くん、どうかした？」
俺の心のうちなんてAさんは知らないから
何も言わない俺を心配そうに上目遣いで見てくる
もーめっちゃかわいい。
『Aさんこっち来て？』
「え？…わっ…」
Aさんの腰に手を回し引き寄せ
周りの人に俺のAさんなんで！ってアピールすると
Aさんだけに聞こえるように話す
『早く行こ？』
「ふふっ、そうだね」
そのままAさんの腰を押すようにして大浴場前から離れる。
もう！俺の！俺のなんだからね？
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作者名：Soda | 作成日時：2023年2月5日 15時
