ラナンキュラス (ページ5)

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渉からスマホを受け取りメールを開封する
ゆっくりとスクロールしていくと
採用を内々定しましたの文字に思わず
“おっしゃ！“と声を上げると
周りからの視線を受けてか隣にいた渉から
“黒田！”っと注意され慌てて口元を押さえる

最後まで文面を読み
渉にだけ聞こえるトーンで話をする

『内々定来たわ』

「反応でわかるわ。とりあえずおめでと」

『ん。ありがと！』

「考えなくても承諾でしょ？」

『当たり前！』

この日を今か今かと待ち続けてようやく来た結果
第一志望だし気になる彼女はいるしで悩む必要なんて全くない
善は急げとテンプレを参考にして承諾の返信を打ち送信する

「はっや。まぁここからが長いのか。
　4月まで半年以上あんじゃん。
　てかさ、その会社内定式とかないの？」

『それが…内定式あります！』

嬉しさが隠しきれないでニヤニヤが顔に出ると
“顔ヤバ”って渉に言われる
けどそんなの気にしないもんねー

「え？じゃあそこで会えんじゃね？
　その人、人事っぽいんでしょ？」

『多分ね！だから俺もそれを期待してんの！』

“おー頑張れよー”と渉が応援してくれる
まだ先だけど彼女に会えるチャンスあると思うと
その日が待ち遠しくて仕方がなかった