ラナンキュラス (ページ37)

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Aさんとの初デートは
俺としては大満足なものになった

好きって気持ちは伝えたし
ガンガン攻めるって決めたしね
気が楽になったっていうかなんというか
隠さなくていいんだって

ただ“自信あるんですけど覚悟しといて下さい！“っていう
俺の言葉に対してAさんは何にも言ってはくれなかったけどね

『俺、Aさんのこと知りたいんです。』

「私のこと？」

『営業行く時も俺ばっか話してるなぁって。
　Aさんは俺のこと知ってるけど
　俺はAさんのことあんまり知らないから
　知ったらもーっとAさんのこと好きになると思うんで』

「それじゃ話さない方がいいかな笑
　黒田くんの期待？を損ねそうだし」

『ねーえ！ダメ？教えてAさんのこと！お願い！』

甘えた目でAさんに訴えると“しょうがないなーっ“て
ちょっと困った顔のAさんも可愛い

それにお酒が入るからフランクな感じでも全然いけるし
現に先輩呼びしなくてもいつもみたいに怒られない
お酒強い方じゃないけどAさんと
こんな風に話せるなら悪くないなって

飲んでる時間は本当に楽しくあっという間に過ぎていく
俺がお願いしたからかAさんは自分のことを沢山話してくれて
共通点も結構あったから俺たち気が合うんじゃない？って

『あー楽しかった！っていい時間ですねそろそろ出ましょうか』

「そうだね。家から距離あるしね」

ゴメンお手洗い行くから待っててくれる？と
Aさんに言われて支度をしながら大人しく待つ
本当はもうちょっと話したかったけどまた誘えばいいもんね！

「お待たせ！それじゃ行こっか」

戻ってきたAさんに声をかけられ
さぁ伝票を持って…と思ったらそこにあったはずの伝票の姿はない
え？どこどこ？と探している俺をよそに
店の出口に歩いていくAさん

“黒田くん行くよー“と手をヒラヒラしながら笑っていて
あー完全にやられたわ
やっぱりそこには先輩のAさんがいた