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幹事の声で始まる歓迎会
俺の隣の席はAさんなんだけど
まだその姿はない
黒田くんは先に行っててってAさんに言われて
本当は“待ちますよ！“って言いたかったんだけど
歓迎会だしさすがにそれはマズイかなって…
俺もちゃーんと空気読めるかんね！
Aさんが来るのを待つ間
俺は瓶ビールを片手に別のテーブルへお酌周り
話したことない人とも話せるしそれなりに
楽しいなーなんて思っていると
「お疲れ様です！遅れてすみません」
「Aおせーぞ！」
「ごめーん」
「お前の席ここな！」
Aさんの声に反応して姿を捉えると
いつの間にか俺の席にいた元木さんの隣に座るAさん
本当はすぐに駆け寄りたかったけど丁度話しかけられてたから
それも出来なくて俺は目で追うばかり
そうすると気づくこともあって
Aさんは俺には一切目をくれないし
元木さんと楽しそうに話してるし
なんか2人の距離近いしモヤモヤするんだけど
「相変わらず仲良いねーあの2人」
頭の中でグルグル考えていると
ダイレクトに聞こえてきた声に驚いてビクッとして
隣を見るといつの間にかいたデッカい目の人
え？誰？この人
「俺？2人の同期だよー総務の平塚。
湧達いるって聞いたから遊びにきたー」
総務も別の部屋で歓迎会でやってるから
きちゃったらしい
なんだこのゆるーい空気
「黒ちゃん、湧に嫉妬してるでしょー」
せっかくだし2人で邪魔しに行こっかーなんて
ボケっとしながら言ってくるから
マジでこの人掴めないけど
俺この感じ嫌いじゃないなって
「わくー」
「おわ、なんだよ平塚かよ！」
平塚さんと元木さんが話す様子を
Aさんが楽しそうに見ているから
その顔を俺はジッーっと横で見つめてみる
暫くすると俺の視線に漸く気づいて目があう
「え？どうしたの？」
俺が口を噤んでいるのを不思議に思ったのか
酔った？気持ち悪い？なんて心配しだすAさん
違うもん！俺は嫉妬してるの！！
『A先輩、俺のこと全然気にしてくれない！』
今度は慌て出すし、もう！鈍感すぎるよ！！
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作者名：Soda | 作成日時：2022年11月27日 20時
